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上智大学 外国語学部 フランス語学科 カトリック高等学校対象特別入試 2025年度 小論文 過去問解説

【問題概要】

上智大学 外国語学部 フランス語学科 カトリック高等学校対象特別入試 2025年度の小論文過去問です。

【設問文全文】

文章を読み、下の設問に答えなさい。課題文は、国際機関がリベラル多文化主義の理想を推進し、マイノリティの権利に関する国際規範を定式化してきたが、その実験は不確かな未来に直面していると述べる。筆者は、多文化主義を国際化するプロジェクトを放棄して1990年以前に戻ることは望ましくなく、国際社会には国家とマイノリティの双方を支援する正当で不可欠な役割があると論じている。

問1:下線の①の「二つの選択肢」とは何を指していますか。文中から100字以内で答えなさい。

問2:下線②の「以前の非リベラルで反民主的な関係」とは何を指しますか。文中の例を100字以内で挙げなさい。

問3:下線の「地政学的な不安定」について、あなたの知っている例を二つ、100字以内で示しなさい。文中以外の例を挙げること。

問4:下線ので筆者が予測したように、マイノリティがかかわる紛争や戦争は今日も起こり続けています。こうした紛争や戦争の例を挙げながら、その解決への道についてあなたの考えを1100字以内で述べなさい。

問1【解説】

二つの選択肢を、放棄して戻る道と、国際的関与を再考して続ける道として整理します。

問1【解答例】(90字)

 一つは多文化主義を国際化する計画を放棄し、国家とマイノリティの関係が国際社会の優先事項でなかった時代へ戻ること、もう一つは国際的関与を再考し、より安定した基盤で継続することである。

問2【解説】

本文中の対立的な関係の例を挙げ、支配と排除の関係としてまとめます。

問2【解答例】(91字)

 征服者と被征服者、植民者と被植民者、人種で区別されない人とされる人、正統派と異端派、文明的な人と後進的な人、味方と敵など、少数者を対等な市民と見ない支配、同化、排除の関係を指すもの。

問3【解説】

文中以外の例として、現在の国際政治で少数者問題が不安定化している事例を挙げます。

問3【解答例】(90字)

 ロシアによるウクライナ侵攻で言語集団や住民帰属が政治化される例、ミャンマーでロヒンギャが国籍や宗教を理由に迫害され、周辺国へ難民化し地域全体の不安定要因になっている例が挙げられる。

問4【解説】

5STEPs法での書き方

STEP1で立場と事例、STEP2で本文との接続、STEP3で初期対応、STEP4で制度設計、STEP5で結論を述べます。

問4【解答例:5STEPs段落構成】(994字)

STEP1

 マイノリティがかかわる紛争を解決するには、国家の統一を守る視点と、少数者の権利を保障する視点を対立させず、制度として両立させる必要がある。たとえばミャンマーのロヒンギャ問題では、宗教的・民族的少数者が国民として認められず、迫害、難民化、暴力が続いている。これは単なる国内治安の問題ではなく、国籍、宗教、移動、国際人権に関わる問題である。

STEP2

 筆者が述べるように、マイノリティの権利を国際社会の関心から外せば、国家と少数者の関係は征服者と被征服者、正統派と異端派、味方と敵という古い関係に戻りやすい。多数派が国家を自分たちだけのものと考えると、少数者は治安上の脅威や文化的な異物として扱われる。これが武力衝突や難民問題を生む。

STEP3

 解決への第一歩は、暴力の停止と人道支援である。安全な避難、食料、医療、教育を確保しなければ、政治的対話は始まらない。第二に、国際社会は人権侵害を記録し、責任追及の仕組みを維持すべきである。加害の事実が曖昧にされると、被害者の不信は残り、復讐や再衝突の原因になる。

STEP4

 第三に、少数者が政治参加できる制度が必要である。自治、言語教育、宗教的自由、地方行政への参加、差別禁止法などを整え、国家の中に複数の文化が共存できる余地を作るべきだ。国際機関や周辺国は、単に制裁を行うだけでなく、和平交渉、難民帰還、制度設計を支援する役割を担う必要がある。

STEP5

 ただし、外部から一方的に制度を押しつければ、内政干渉として反発を招く。重要なのは、少数者の権利を普遍的人権として守りながら、当事国の市民社会、宗教指導者、地方共同体と協働することである。多数派にとっても、少数者の権利保障は国家の分裂ではなく、暴力を避ける安定の条件であると示す必要がある。紛争の解決は、少数者を沈黙させることではなく、異なる集団が同じ政治共同体の成員として扱われる制度を作ることで実現する。そのためには、教育やメディアで相手集団を敵として描く言説を減らし、共通の公共サービスを整えることも欠かせない。難民の帰還や補償を進める際にも、住民登録、土地所有、学校教育を公平に扱う必要がある。さらに、停戦監視や選挙監視を国際機関が担えば、当事者だけでは作りにくい信頼を補える。地域の女性や若者の声を和平過程に入れることも重要である。国際社会の役割は、短期の停戦だけでなく、権利保障と共存の制度化へ当事者を支援し続けることにある。

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