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上智大学 外国語学部 ロシア語学科 カトリック高等学校対象特別入試 2025年度 小論文 過去問解説

【問題概要】

上智大学 外国語学部 ロシア語学科 カトリック高等学校対象特別入試 2025年度の小論文過去問です。

【設問文全文】

以下の文章は「ロシア文学」に関する講義録から引用したものです。文章を読んで後の問1〜4に答えなさい。文章は、19世紀ロシア文学、ロシアの遅れた近代化、近代後発国における文学の使命、外国文学を読むことが自己を振り返る契機になることを述べている。

問1:ロシアの後進性が明らかになるきっかけとなった、1853〜1856年に起こった戦争の名前を答えなさい。

問2:問1の戦争の結果を受けて、1861年に農奴解放令を発布した当時の皇帝の名前を答えなさい。

問3:20世紀のロシア・ソ連文学作品に該当するものを語群から3つ選び、番号で答えなさい。

問4:文章の筆者は近代化が遅れた国としてロシアの名を挙げつつ、日本も同様であると述べています。ロシアと日本に共通する「近代化の遅れ」とは、どのような点に見出すことができますか。文学と社会という2つの側面から、日本とロシアで近代化が遅れた理由について600〜800字でまとめてください。

問1【解説】

問1【解答例】(10字)

 クリミア戦争である。

問2【解説】

問2【解答例】(13字)

 アレクサンドル2世である。

問3【解説】

問3【解答例】(42字)

 『巨匠とマルガリータ』、『静かなドン』、『イワン・デニーソヴィチの一日』が該当する。

問4【解説】

5STEPs法での書き方

STEP1で共通点、STEP2で社会、STEP3で文学、STEP4で遅れの意味、STEP5で結論を述べます。

問4【解答例:5STEPs段落構成】(728字)

STEP1

 ロシアと日本に共通する近代化の遅れは、西ヨーロッパを基準とする近代国家、産業社会、市民社会の形成に後から参加した点に見出せる。両国は自国の伝統的な政治秩序を保ったまま、外からの圧力を受けて急速な改革を迫られた。

STEP2

 社会の側面では、ロシアは農奴制を長く残し、貴族と農民の身分差が近代化を妨げた。クリミア戦争の敗北は、軍事・行政・経済の遅れを明らかにした。日本も江戸幕府の身分制と鎖国的な秩序の下で、西洋型の産業や軍事制度の導入が遅れ、黒船来航以後に急速な改革を迫られた。

STEP3

 文学の側面では、近代後発国の作家は、外国文学からテーマや手法を学びながら、自国社会の矛盾を表現しようとした。ロシア文学では、近代化の中で揺れる信仰、貧困、個人の自由、国家権力が大きな主題となった。日本の近代文学も、西洋小説の形式を学びつつ、個人、家、国家の葛藤を描いた。

STEP4

 ただし、遅れは単なる劣等性ではない。後発国は、先行する西欧近代を模倣しながらも、自国の歴史や社会構造とのずれを強く意識する。そのずれが文学に独自の緊張を与えた。ロシアでも日本でも、近代化は便利な制度の導入であると同時に、伝統的な価値観を揺さぶる経験であった。

STEP5

 結論として、両国の近代化の遅れは、社会制度の改革が外圧によって急速に進んだ点と、文学がその矛盾を受け止めた点に共通している。近代文学を読むことは、後発国が西欧近代をどのように受け入れ、抵抗し、自分の言葉に変えたのかを考える作業である。ロシア文学と日本近代文学を比較すれば、近代化は直線的な進歩ではなく、社会の傷や違和感を伴う過程だったことが見えてくる。そこに、近代後発国の文学を学ぶ意義がある。後発性は弱点であるだけでなく、近代そのものを批判的に見る視点にもなる。

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