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上智大学 外国語学部 ロシア語学科 帰国生入試 2025年度 小論文 過去問解説

【問題概要】

上智大学 外国語学部 ロシア語学科 帰国生入試 2025年度の小論文過去問です。

【設問文全文】

1. ロシア・ソ連についての基礎的知識を問う設問。第三のローマ、コサック、ニスタット条約、ドストエフスキー、ニヒリズム、チェーホフ、中距離核戦力全廃条約などを50字以内で説明しなさい。

II. 次の文章を読んで、下線部に関する設問に答えなさい。文章は、ロシア文学・思想をめぐる文章を題材に、プーシキン、エカチェリーナ2世、漂流民、ロシア最初の日本公式使節などに関する知識を問う。

III. 外国語の文学作品を母国語に翻訳する際に獲得されるものと失われるものは何かを200字以内で説明しなさい。

IV. 大学で外国語を専攻する最も重要な意味について800字以内で述べなさい。

III【解説】

III【解答例】(178字)

 翻訳で獲得されるものは、異なる言語で書かれた作品を広い読者が読めるようにすることである。翻訳は物語、思想、歴史的経験を母語の中に移し、他文化への入口を作る。一方で失われるものは、原語の音、語順、比喩、文化的含意、曖昧さである。特に詩や文学では、言葉の響きや文体が意味と一体になっているため、完全な置き換えはできない。翻訳は橋であるが、原作そのものではない。

IV【解説】

5STEPs法での書き方

STEP1で主張、STEP2で言語観、STEP3で一次資料、STEP4で他者理解、STEP5で結論を述べます。

IV【解答例:5STEPs段落構成】(764字)

STEP1

 大学で外国語を専攻する最も重要な意味は、単に会話能力を得ることではなく、別の言語で世界を理解する方法を身につけることである。機械翻訳や要約技術が発達しても、言葉の背後にある歴史、価値観、感情の層を読み取る力は、人間が時間をかけて学ぶ必要がある。

STEP2

 外国語を学ぶと、母語では当然だと思っていた概念が相対化される。たとえばロシア語の文学や歴史を学べば、国家、信仰、革命、個人の自由といった語が、日本語や英語とは異なる経験の中で形成されてきたことがわかる。言語は情報伝達の道具であるだけでなく、世界の切り分け方でもある。

STEP3

 また、外国語専攻は翻訳に頼らず一次資料へ近づく訓練である。翻訳は有用だが、訳語の選択には必ず解釈が入る。原語を読むことで、書き手がどの言葉を選び、どの響きや文体で表現したのかを自分で確かめられる。これは文学だけでなく、報道、外交文書、証言を読む際にも重要である。

STEP4

 さらに、外国語を学ぶことは他者と向き合う態度を育てる。相手の言語で考えようとする時、自分の基準を一度保留し、誤解の可能性を意識する。国際関係が緊張する時代ほど、相手国を単純な敵や記号として扱わず、そこに暮らす人々の声を理解する力が必要になる。

STEP5

 結論として、外国語専攻の意味は、便利な翻訳技術に代替されるものではない。外国語を通じて、異なる歴史を持つ社会の内側から考え、自分の母語や社会を見直すことに意味がある。大学での学びは、言語技能、地域研究、文学、歴史を結びつけ、複雑な世界を単純化せずに理解する力を育てる。その力こそ、外国語を専攻する最大の意義である。さらに、外国語を学ぶ過程では、すぐに理解できない表現に出会い、辞書や文脈を頼りに考え続ける忍耐も身につく。この経験は、異文化理解だけでなく、情報が速く流れる社会で安易に結論を出さない態度にもつながる。

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