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上智大学 外国語学部 ドイツ語学科 公募制推薦入試 2025年度 小論文 過去問解説

【問題概要】

上智大学 外国語学部 ドイツ語学科 公募制推薦入試 2025年度の小論文過去問です。

【設問文全文】

次の文章をよく読んだ上で、設問に答えなさい。課題文は、日本社会では相互協調性が高い一方で、相手の反応を気にして自己主張を避ける傾向があり、独立性にも、他者と関わらず自分だけで独立しようとする消極的な独立性と、他者と積極的に関わりながら自己主張する積極的な独立性があると論じている。人間は社会なくして生命を維持できず、独立を守るためにも他者との協力とコミュニケーションが必要だとされる。

設問:ドイツ文化と日本文化の特徴を挙げ、それを比較しながら、相互協調性や独立性を2つの種類に分けることが適切か否かについて論じなさい。また、これからの日本社会において、どのような相互協調性や独立性が望ましいのか、それを達成するためにはどうすればよいのかについても論じなさい。必ず、「本文の内容をよく吟味・検討した上で」議論を進め、1200字以内で解答すること。

設問【解説】

5STEPs法での書き方

STEP1で文化比較、STEP2で分類の妥当性、STEP3で日本社会の課題、STEP4で望ましい力、STEP5で具体策と結論を述べます。

設問【解答例:5STEPs段落構成】(1090字)

STEP1

 ドイツ文化と日本文化を比較すると、一般にドイツでは個人の意見表明や契約、ルールに基づく関係が重視され、日本では場の調和、空気を読むこと、相手に配慮することが重視されやすい。もちろん、これは単純化であり、両社会の内部にも多様性がある。しかし、本文の議論を考える上では、自己主張と協調の関係を比較する手がかりになる。

STEP2

 私は、相互協調性や独立性を二つの種類に分けることは、一定の範囲で適切だと考える。なぜなら、同じ協調でも、対立を避けるために黙る協調と、相手を尊重しながら意見を調整する協調は異なるからである。また、同じ独立でも、他者との関係を断って孤立する独立と、他者と関わりながら自分の考えを述べる独立は異なる。

STEP3

 日本社会で問題になりやすいのは、協調が同調に変わり、独立が孤立として理解されることである。学校や職場で周囲と違う意見を言いにくい場合、表面上は平穏でも、問題解決は遅れる。逆に、他者を拒絶して自分だけで生きようとすれば、本文が指摘するように、人間は社会なくして生きられないため、現実には持続しにくい。

STEP4

 これからの日本社会に望ましいのは、積極的な相互協調性と積極的な独立性である。積極的な相互協調性とは、相手に合わせて沈黙することではなく、相手の立場を理解しながら共通の解決策を探る力である。積極的な独立性とは、他者を切り捨てることではなく、他者と対話しつつ自分の意見を明確に述べる力である。

STEP5

 その達成には、教育と職場の両方で訓練が必要である。学校では、正解を当てる授業だけでなく、異なる意見を比較し、根拠を示して話す討論を増やすべきである。教師は反対意見を迷惑な発言として扱わず、議論の材料として尊重する必要がある。職場では、上司に同調する会議ではなく、立場に関係なく意見を出せる仕組みを作るべきだ。評価制度も、黙って従う人だけでなく、建設的に異論を出す人を評価する必要がある。

STEP6

 結論として、ドイツ文化を自己主張、日本文化を協調とだけ捉えるのは粗いが、本文のように協調と独立を質の違いで分けることには意味がある。今後の日本社会には、他者への配慮を失わず、同時に自分の考えを表明できる市民が必要である。グローバル化が進む中では、異なる文化背景の人と働く機会も増える。その時、沈黙による協調だけでは誤解が残り、孤立した独立だけでは信頼が築けない。地域社会でも、外国人住民、若者、高齢者が同じ課題を話し合う場が必要になる。相手を尊重しつつ異論を出せる態度を、家庭や学校でも日常的に練習したい。協調と独立は対立するものではなく、成熟した対話の中で互いを支え合うものとして育てるべきである。

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