【問題概要】
上智大学 外国語学部 ポルトガル語学科 公募制推薦入試 2025年度の小論文過去問です。
【設問文全文】
※解答はすべて解答用紙に書くこと。また解答用紙には、設問の番号をきちんと示すこと。
1. 以下の問いに答えなさい。(1) ポルトガル語を公用語とする国に属する9つの国をすべて挙げなさい。(2) (1)で挙げた国のうち2つを選び、その国の特徴を表す①自然や地理、②文化、③日本との関係について、それぞれの国につき150字以内でまとめなさい。
2. ポルトガル語圏に関係する次の言葉について100字程度で説明しなさい。(1) BRICS (2) ポルトガル語諸国共同体(CPLP) (3) カーネーション革命 (4) ペドロ・アルバレス・カブラル (5) 南南協力
3. あなたが関心を持っているポルトガル語圏に関するテーマは何か。仮にそのテーマでレポートを書くとしたらどのような内容で、またどのようにレポートを組み立てていくことになるだろうか。具体的にあなたの構想を説明しなさい。テーマはポルトガル語圏全体に関わるものでも、ポルトガル語圏に属する一つの国に関わるものでもよい。(400字程度)
1(1)【解説】
1(1)【解答例】(64字)
ポルトガル、ブラジル、アンゴラ、モザンビーク、ギニアビサウ、カーボベルデ、サントメ・プリンシペ、東ティモール、赤道ギニアである。
1(2)【解説】
1(2)【解答例】(166字)
ブラジルは南米最大の国で、アマゾン熱帯雨林や広大な農地を持つ。サンバ、サッカー、多民族文化が知られ、日本人移民に由来する大きな日系社会がある。日本には日系ブラジル人労働者も多い。モザンビークはアフリカ南東部にあり、インド洋に面する。音楽や口承文化が豊かで、天然ガス開発も注目される。日本は開発協力や教育支援を通じて関係を持っている。
2(1)【解説】
2(1)【解答例】(90字)
BRICSとは、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカを中心とする新興国の枠組みである。経済成長力を背景に、欧米中心の国際秩序に対し、政治・経済面で発言力を強めようとしている。
2(2)【解説】
2(2)【解答例】(103字)
ポルトガル語諸国共同体は、ポルトガル語を共有する国々の協力組織である。言語・文化交流だけでなく、教育、外交、経済協力を進め、ポルトガル語圏の結びつきを強める役割を持つ。共通語を外交資源にする枠組みでもある。
2(3)【解説】
2(3)【解答例】(95字)
カーネーション革命は、1974年にポルトガルで起きた民主化革命である。独裁体制と植民地戦争への不満を背景に軍が蜂起し、比較的流血の少ない形で民主化が進み、アフリカ植民地の独立にもつながった。
2(4)【解説】
2(4)【解答例】(112字)
ペドロ・アルバレス・カブラルは、1500年にブラジルへ到達したポルトガルの航海者である。彼の航海はポルトガルによるブラジル植民地化の出発点となり、大西洋世界の形成に関わった。偶然の到達とも言われるが、世界史上の意味は大きい。
2(5)【解説】
2(5)【解答例】(101字)
南南協力とは、先進国から途上国への援助ではなく、途上国や新興国同士が経験や技術を共有する協力である。ブラジルとアフリカのポルトガル語圏諸国の農業・保健協力などが例になる。対等性を重視する点に特徴がある。
3【解説】
テーマ、章立て、調査の観点を明確にし、ポルトガル語圏学習の意味へつなげます。
3【解答例】(373字)
私が関心を持つテーマは、日系ブラジル人の移動と日本社会の多文化共生である。レポートでは、第一に、ブラジルへの日本人移民の歴史を整理し、どのように日系社会が形成されたのかを確認する。第二に、1990年代以降、日系ブラジル人が日本へ働きに来るようになった背景を、入管制度、製造業の労働需要、ブラジル経済の変動から説明する。第三に、日本で暮らす日系ブラジル人の子どもが、学校で言語や進路の問題に直面していることを扱う。最後に、地域社会がどのような日本語教育、母語支援、相談体制を整えるべきかを考える。調査では、自治体の資料、学校支援の事例、当事者の証言を組み合わせたい。日本語とポルトガル語の間で育つ子どものアイデンティティにも注目する。ポルトガル語圏を学ぶ意義は、遠い国の文化を知るだけでなく、日本国内にすでに存在する多文化社会を理解する点にもある。



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