【問題概要】
上智大学 外国語学部 ポルトガル語学科 編入学試験 2025年度の小論文過去問です。
【設問文全文】
以下の設問に解答しなさい。
1. ポルトガル語を公用語とする国を5つ述べなさい。
2. 上記のうち、自分の関心のある国をひとつ選び、以下の分析視点をすべてふまえながら600字程度で説明しなさい。政治/経済/社会/国際関係/日本との関係
3. ポルトガル語あるいはポルトガル語圏の知識を身につけることは、現代社会においてどのような意味をもつと考えますか。あなた自身の関心に近づけた上で、400字程度で述べなさい。
1【解説】
1【解答例】(88字)
ブラジル、ポルトガル、アンゴラ、モザンビーク、カーボベルデが挙げられる。ほかにギニアビサウ、サントメ・プリンシペ、東ティモール、赤道ギニアもポルトガル語を公用語とする国である。
2【解説】
5STEPs法での書き方
STEP1で対象国、STEP2で経済、STEP3で社会、STEP4で国際関係、STEP5で日本との関係を述べます。
2【解答例:5STEPs段落構成】(569字)
STEP1
関心のある国としてブラジルを取り上げる。ブラジルは南米最大の国土と人口を持ち、アマゾン、セラード、長い海岸線など多様な自然を有する。政治面では連邦制をとり、民主主義を維持しているが、地域格差、治安、環境政策をめぐる対立も大きい。
STEP2
経済面では、農産物、鉄鉱石、エネルギー、自動車産業などが重要である。大豆、牛肉、コーヒーなどの輸出国であり、中国や欧米との貿易関係も深い。一方、インフレ、貧困、富の偏在、都市の非公式雇用などの課題も残っている。
STEP3
社会面では、先住民、アフリカ系、欧州系、日系など多様なルーツを持つ人々が暮らす。サンバやサッカーに象徴される文化の豊かさがある一方で、人種や階層による不平等は深刻である。多文化性は強みであるが、格差を見えにくくする危険もある。
STEP4
国際関係では、ブラジルはBRICSやG20の一員として、新興国の立場から国際秩序に関わっている。アマゾン保全は地球環境問題として世界の注目を集める。環境保護と農業開発をどう両立するかは、国内問題であると同時に国際的課題でもある。
STEP5
日本との関係では、20世紀初頭からの日本人移民により、世界最大級の日系社会が形成された。現在も日系ブラジル人が日本で働き、両国をつなぐ存在となっている。ブラジルを学ぶことは、資源や経済だけでなく、移民、多文化共生、環境問題を考える手がかりになる。
3【解説】
言語学習の意義を、自分の関心と現代社会の課題に結びつけます。
3【解答例】(389字)
ポルトガル語圏の知識を身につける意味は、世界を英語圏中心に見ない視点を得る点にある。ポルトガル語はブラジル、アフリカ諸国、東ティモールなどで使われ、資源、環境、移民、開発、文化交流と深く関わっている。私は特に、日系ブラジル人と日本社会の関係に関心がある。日本で働くブラジル出身者やその子どもたちは、労働力としてだけでなく、地域社会の一員として暮らしている。言語を学べば、統計や報道だけでは見えない生活の実感に近づける。また、ブラジルの多文化社会やアフリカのポルトガル語圏を知ることは、植民地支配の歴史と現在の国際関係を結びつけて考える訓練にもなる。現代社会では、人の移動や環境問題が国境を越えるため、ポルトガル語圏を学ぶことは、多様な世界と日本の関係を具体的に理解する力になる。将来、地域での多文化支援や国際協力に関わる際にも、相手の言葉と背景を知ることは信頼形成の基礎になる。



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