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上智大学 法学部 法律学科 帰国生入試 2024年度 小論文 過去問解説

【問題概要】

上智大学 法学部 法律学科 帰国生入試 2024年度の小論文過去問です。

【設問文全文】

問題用紙2枚目にある記事を読んで、次の二つの設問に合計800字以内で解答しなさい。

① 国内にムスリムの墓地が少ないのはなぜか、この記事の内容を整理して説明しなさい。

② 日本国内におけるムスリムの墓地をめぐる問題にどのように対処していくべきか、あなたの考えを述べなさい。

問1【解説】

5STEPs法での書き方

STEP1で理由、STEP2で地域制度、STEP3で立場、STEP4で対策、STEP5で結論を述べます。

問1【解答例:5STEPs段落構成】(736字)

STEP1

 国内にムスリムの墓地が少ない理由は、イスラム教の葬送習慣と日本の地域社会・制度との間にずれがあるからである。ムスリムは宗教上、火葬ではなく土葬を望む場合が多い。しかし日本では火葬が一般化しており、土葬を受け入れる墓地は限られている。

STEP2

 また、墓地の設置には自治体の許可や周辺住民の理解が必要である。住民の中には、衛生面、水源への影響、土地利用、地域の慣習との違いに不安を抱く人もいる。記事は、外国人労働者や留学生、永住者が増える一方で、亡くなった後の埋葬場所が十分に整っていない現実を示している。

STEP3

 私は、この問題には宗教的自由と地域の安心を両立させる形で対処すべきだと考える。まず、国や自治体は土葬に関する衛生基準、地下水への影響、管理方法を科学的に示し、住民説明を丁寧に行う必要がある。不安を差別と決めつけるだけでは合意は作れない。

STEP4

 次に、広域的な墓地整備を検討すべきである。一つの自治体だけに負担を集中させると反発が強まるため、都道府県単位や複数自治体の連携で、宗教的少数者に対応できる墓地を計画するのが現実的である。利用者団体、宗教者、行政、住民が協議する仕組みも必要である。

STEP5

 結論として、ムスリムの墓地問題は、単なる埋葬方法の違いではなく、日本社会が多文化化する中で、死後の尊厳をどう保障するかという問題である。宗教的実践を尊重しつつ、透明な基準と対話によって地域の不安を小さくすることが、共生社会にふさわしい対応である。日本で働き、学び、家族を持つ人を一時的な外国人としてだけ扱うなら、亡くなった後の場所の問題は先送りされる。生きている間の労働力として受け入れる以上、死後の扱いにも制度的責任を持つ必要がある。行政は個別地域任せにせず、広域計画として位置づけるべきである。

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