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上智大学 神学部 神学科 編入学試験 2023年度 小論文 過去問解説

【問題概要】

上智大学 神学部 神学科 編入学試験 2023年度の小論文過去問です。

【設問文全文】

次の文章を読み、下記の全ての設問に答えて論述してください。

課題文は、『現代世界憲章』22項をもとに、キリストが「見えない神の姿」であり「完全な人間」であること、神の子が受肉によってすべての人間と一致したこと、苦しみと死の謎がキリストの死と復活によって新たな意味を持つことを述べている。

1) 下線部の意味を、簡潔に説明してください。

2) 下線部の意味を、簡潔に説明してください。

3) 下線部と文章全体を参考にしつつ、キリスト教の死生観について論述してください。

1)・2)【解説】

短答では、受肉と復活の普遍的希望という中心を外さずに説明します。

1)【解答例】(117字)

 下線部は、キリストが抽象的に人間を救っただけでなく、働き、考え、選び、愛し、苦しむという人間の現実を自ら引き受けたことを意味する。受肉によって神の子は人間の外側に立つのではなく、人間本性を破壊せずに担い、人間の尊厳を回復したのである。

2)【解答例】(117字)

 下線部は、キリストの復活がキリスト者だけの閉じた出来事ではなく、神の恵みによってすべての善意ある人に開かれうる希望であることを意味する。人間の究極的な召命は神に由来するため、神が知る仕方で人々は復活の神秘にあずかる可能性を与えられる。

3)【解説】

5STEPs法での書き方

STEP1で死生観の軸、STEP2で人間の尊厳、STEP3で死と復活、STEP4で現世での実践、STEP5で結論を述べます。

3)【解答例:5STEPs段落構成】(623字)

STEP1

 キリスト教の死生観は、死を単なる消滅や敗北としてではなく、キリストの死と復活に照らして受け止める点に特徴がある。課題文は、キリストが「真にわれわれの中の一人」となり、人間の苦しみと死を外側から眺めるのではなく、自ら引き受けたと述べる。

STEP2

 第一に、キリスト教では人間の生命は神に由来するものと理解される。人間は神の似姿として尊厳を持ち、罪や弱さによって傷ついても、その尊厳はキリストにおいて回復される。したがって、病気、老い、障がい、死に近づく状態にある人も、価値を失った存在ではない。

STEP3

 第二に、死は避けられない現実であるが、キリストの死によって新しい意味を持つ。キリストは苦しみを受け、十字架で死んだが、復活によって死が最後の言葉ではないことを示した。キリスト者はこの希望に結ばれ、苦難の中でも復活に向かう道を歩む。

STEP4

 第三に、この死生観は現世を軽視するものではない。死後の希望があるからこそ、今生きている人の苦しみに寄り添い、いのちを守る責任が生じる。病者へのケア、貧しい人への支援、孤独な人との連帯は、キリストが人間と一致したという信仰から導かれる。

STEP5

 結論として、キリスト教の死生観は、死を恐れなくてよいと単純に言うものではない。死の痛みと謎を認めたうえで、キリストの受肉、十字架、復活によって、人間の生と死が神との関係の中で意味を与えられると考える。だからこそ人は、死に向かう存在でありながら、希望を持ち、他者のいのちを尊重して生きるよう招かれている。

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