【問題概要】
上智大学 総合グローバル学部 総合グローバル学科 外国人入試 2023年度の小論文過去問です。
【設問文全文】
昨今、様々なモノの価格が急騰している。これら物価の上昇が現代社会にどのような影響を及ぼしているか、具体的な国を一つ事例として挙げ、次の(a)または(b)のどちらか一方を選んで論ぜよ。なお、解答の段落始めの1マス目に(a)または(b)と記入せよ。
(a) 人々の暮らしにどのような影響を及ぼしているか、価格が上昇している具体的なモノ、影響を受けている人々の背景や特徴、どのような影響がなぜ見受けられているか、など詳細に描写せよ。(ローカルな視点)
(b) その国の政治・外交・国際関係あるいは経済全体のどれか一つに着目し、物価上昇がどのような影響を及ぼしているか、なぜそのような影響を生じさせているかのメカニズムを詳細に論ぜよ。(ナショナル・グローバルな視点)
問題【解説】
5STEPs法での書き方
STEP1で選択肢と立場、STEP2で家計・企業への影響、STEP3で政策選択、STEP4で国際関係、STEP5で結論を述べます。
問題【解答例:5STEPs段落構成】(725字)
STEP1
(b) 物価上昇は、単に家計を苦しくするだけでなく、国家の政治や国際関係にも大きな影響を及ぼす。ここでは日本を事例に、エネルギー価格と食料価格の上昇が経済全体と政策選択に与える影響を考える。日本はエネルギーや小麦などを海外に大きく依存しているため、国際価格の上昇と円安が重なると、国内物価は上がりやすい。
STEP2
第一に、物価上昇は実質賃金を低下させ、消費を弱める。ガソリン、電気、食品の価格が上がると、家計は外食、旅行、教育費などを削る。特に低所得層や子育て世帯ほど、生活必需品の支出割合が高いため影響が大きい。企業も原材料費や輸送費の上昇に直面し、価格転嫁できない中小企業は利益を失う。
STEP3
第二に、物価上昇は政府の政策選択を難しくする。補助金や給付金で家計を支えれば短期的な痛みは和らぐが、財政負担は増える。金融政策を引き締めれば円安や輸入物価を抑えられる可能性がある一方、景気を冷やし、住宅ローンや企業投資に悪影響を与える。つまり物価対策は、景気対策や財政規律と衝突する。
STEP4
第三に、国際関係の面では、資源や食料の安定確保が安全保障問題になる。ロシアによるウクライナ侵攻は、エネルギーや穀物市場に影響を与えた。日本は特定地域への依存を減らし、再生可能エネルギー、省エネ、食料自給力の強化を進める必要がある。
STEP5
結論として、物価上昇は家計の問題にとどまらず、賃金、企業経営、財政、金融、外交を結びつける問題である。日本がとるべき対応は、一時的な補助だけではない。賃上げを伴う価格転嫁、低所得層への重点支援、エネルギー・食料の調達先分散、国内生産力の強化を組み合わせるべきである。物価高は外部要因で起こる面が大きいが、それに耐えられる社会を作ることは国内政策の課題である。



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