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上智大学 法学部 地球環境法学科 外国人入試 2022年度 小論文 過去問解説

【問題概要】

上智大学 法学部 地球環境法学科 外国人入試 2022年度 小論文 過去問解説です。

課題文の内容を踏まえ、設問条件に従って自分の考えを論理的に述べる小論文です。

【設問文全文】

次の新聞記事を読み、「国境炭素税」の導入を目指す理由とその課題を整理した上で、この問題に対する日本政府の方針について、あなたの考えを述べなさい。なお本問は、専門的な知識を問うものではない。

問1【解説】

設問条件の判定

  • 制限字数: 800字以内
  • 意見論述の要求: あり
  • 選択テンプレート: 5STEPs法
  • 判定根拠: 500字以上の意見論述であり、課題文理解と自分の考えを結びつける必要があるため。

課題文・設問の読み取り

設問では、課題文の要点を整理したうえで、自分の立場、理由、具体例、反対面への配慮を示すことが求められている。

答案では、抽象的な理念だけで終えず、実際にどのような行動や制度が必要かまで示すと説得力が高まる。

5STEPs法での書き方

STEP1 議論の整理

課題文が示す背景と設問の中心論点を整理する。

STEP2 問題発見

自分が答案で答えるべき問いを明確にする。

STEP3 論証

理由、具体例、制度や社会への影響を用いて主張を支える。

STEP4 結論

設問に対する自分の立場を明確に述べる。

STEP5 結論の吟味

反対意見や限界を踏まえ、現実的な結論に整える。

問1【解答例:5STEPs段落構成】(737字)

STEP1 議論の整理

 国境炭素税とは、環境規制が緩い国から輸入される製品に対し、温室効果ガス排出に応じた負担を課す仕組みである。欧米が導入を目指す理由は、第一に、自国内で厳しい排出規制を行うと、企業が規制の緩い国へ生産拠点を移す『炭素漏れ』が起こるからである。第二に、輸入品にも炭素負担を求めることで、他国にも排出削減を促す狙いがある。課題文は、EUが鉄鋼、アルミニウム、セメントなどを対象に検討している一方、自由貿易への影響や新たな貿易摩擦への懸念があることを示している。

STEP2 問題発見

 私は、日本政府は単なる様子見ではなく、制度設計に主体的に関与すべきだと考える。気候変動は世界全体の課題であり、日本だけが負担増を恐れて消極的でいれば、国際ルールが欧米主導で決まり、日本企業が後から適応を迫られる。もっとも、産業界の懸念も無視できない。

STEP3 論証

 鉄鋼など排出削減に巨額投資が必要な産業では、急な負担増が研究開発力を弱めるおそれがある。また、排出量の計算方法、対象品目、相手国の制度評価が不透明であれば、保護主義として批判される。途上国から見れば、先進国が自国産業を守るために環境を利用していると受け取られる危険もある。

STEP4 結論

 したがって日本政府は、国境炭素税に反対か賛成かを単純に決めるのではなく、国際的に公平な算定基準を提案し、WTOなどの場で多国間の合意形成を進めるべきである。同時に、国内ではカーボンプライシング、脱炭素技術への補助、産業転換への支援を整え、企業が負担を成長投資に変えられるようにする必要がある。中小企業にも省エネ投資や排出量算定を支援し、制度対応の格差を小さくすべきだ。

STEP5 結論の吟味

 国境炭素税は、気候政策と通商政策が交差する制度である。日本は受け身でなく、環境保護と自由貿易を両立するルール作りに参加すべきである。

字数カウント: 737字

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