【お知らせ】毎年帰国生・自宅浪人生・仮面浪人生始め多くの合格者!慶應小論文対策講座

上智大学 外国語学部 ドイツ語学科 帰国生入試 2022年度 小論文 過去問解説

【問題概要】

上智大学 外国語学部 ドイツ語学科 帰国生入試 2022年度の小論文過去問です。

【設問文全文】

下の2つの文章(A、B)をよく読み、次の問いに答えなさい。

1) 2つの文章の内容を400字以内で要約しなさい。2つの文章を別々に要約するのではなく、2つの文章の内容を自分なりにまとめて、400字以内で表現すること。

2) 2つの文章の内容をよく踏まえた上で、これからの「多文化主義」の可能性について800字以内で論じなさい。

文章Aは、難民受け入れには他者を思いやる善意がある一方、社会の安寧や限られた財源を考えると国民が示せる善意には限界があり、オーストラリアのオフショア処理のような政策も現実的対応として理解する必要があると述べる。文章Bは、移民をめぐる治安や社会統合の問題について、移民問題を語ること自体が人種差別と見なされる状況では、深刻な課題に向き合えないと述べる。

1)【解説】

400字以内なので、二つの文章の共通点を中心に要約します。

1)【解答例】(361字)

 二つの文章は、難民や移民をめぐる議論では、人道的な正義だけでなく、受け入れる国家や社会の不安、財源、治安、統合の困難にも目を向ける必要があると述べている。文章Aは、難民を助けたい善意には限界があり、国境管理を担う国家や生活圏を守りたい市民の立場も無視できないため、非正規移動者への対応としてオーストラリアのオフショア処理のような現実的政策も検討対象になるとする。文章Bは、移民問題を語るだけで差別とされると、治安悪化や社会的分断を直視できず、かえって問題を深めると指摘する。移民を社会に適応させるだけでなく、受け入れ社会の側も課題を認める必要がある。共通するのは、一面的な理想論ではなく、受け入れ側と移民・難民側双方の脆弱性を見て制度を考えるべきだという点である。多文化主義には、理想と現実を接続する姿勢が強く求められる。

2)【解説】

5STEPs法での書き方

STEP1で立場、STEP2で可能性、STEP3で課題、STEP4で制度設計、STEP5で結論を述べます。

2)【解答例:5STEPs段落構成】(746字)

STEP1

 これからの多文化主義には可能性があるが、それは異文化を無条件に受け入れる理念だけでは成り立たない。文章AとBが示すように、難民や移民をめぐる問題では、助けを求める人の権利と、受け入れる社会の不安の双方を考える必要がある。一方だけを正義とすれば、議論は分断される。

STEP2

 多文化主義の第一の可能性は、異なる背景を持つ人々が同じ社会で生活し、互いの文化や経験から学べる点にある。移民は労働力であるだけでなく、言語、宗教、食文化、国際的な視野を社会にもたらす。学校や地域で多様な人と出会うことは、固定観念を弱める機会にもなる。

STEP3

 しかし、課題もある。住宅、教育、雇用、治安、言語支援が不十分なまま移民を受け入れると、孤立した地域が生まれ、受け入れ側の不満も強まる。そうした問題を語ることをすべて排外主義と決めつければ、現実の困難は地下化し、かえって差別的な政治に利用される。

STEP4

 したがって、必要なのは、権利保障と社会統合を両立させる多文化主義である。難民には公正な審査と保護を与え、移民には言語教育、職業訓練、子どもの教育、差別からの救済を保障する。同時に、受け入れ地域には財政支援、住民への説明、治安や生活環境への対応が必要である。

STEP5

 結論として、多文化主義の可能性は、善意だけでなく制度設計にかかっている。移民や難民を人間として尊重しつつ、受け入れる社会の不安も公開の場で議論することが重要である。差別を許さず、同時に問題を語ることを封じない社会こそ、多文化共生を持続させることができる。そのためには、受け入れ人数、地域の負担、教育支援、治安対策、財源の配分を曖昧にせず、住民と当事者が参加する形で決める必要がある。多文化主義は、違いを称賛するだけの言葉ではなく、対立が起きた時に調整し続ける政治的な仕組みである。

AO入試・小論文に関するご相談・10日間無料添削はこちらから

「AO入試、どうしたらいいか分からない……」「小論文、添削してくれる人がいない……」という方は、こちらからご相談ください。
(毎日学習会の代表林が相談対応させていただきます!)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

累計100名以上が早慶上智に合格しています
いますぐLINEで相談する!
受験相談・体験授業は10日間無料です