【問題概要】
上智大学 外国語学部 ロシア語学科 帰国生入試 2022年度の小論文過去問です。
【設問文全文】
ロシア・ソ連についての基礎的知識を問う設問を含む小論文。次の文章を読んで設問に答えなさい。
IV. ロシアの歴史と文化に関して、大学で具体的に何をどのように学びたいか固有名詞を複数挙げて述べなさい(400字以内)。
V. ロシア語を学んで、それを将来の仕事や生活にどのように活かしていきたいか具体的に述べなさい(800字以内)。
IV【解説】
400字以内なので、固有名詞を複数入れ、学びたい観点を明確にします。
IV【解答例】(361字)
大学では、ロシアの歴史と文化を、文学、政治、宗教の関係から学びたい。具体的には、トルストイやドストエフスキーの文学が、帝政ロシアの社会矛盾やキリスト教思想とどう関わったのかを読む。また、ピョートル大帝の西欧化、エカチェリーナ2世の統治、ロシア革命、ソ連時代のスターリン体制を比較し、国家権力と個人の自由の関係を考えたい。さらに、チャイコフスキーの音楽、ロシア正教、シベリアや中央アジアとの関係も学びたい。ウクライナやコーカサスとの歴史的関係も視野に入れ、帝国、多民族社会、言語政策の問題を考察したい。授業では原典講読、歴史資料、映画、音楽を組み合わせて学びたい。ロシア語の新聞や文学作品にも触れ、翻訳だけでは見えない表現を学ぶ。文学、音楽、宗教、地域研究を結びつけることで、政治史だけでは見えない人々の価値観を理解したい。
V【解説】
5STEPs法での書き方
STEP1で立場、STEP2で仕事、STEP3で生活、STEP4で文化、STEP5で結論を述べます。
V【解答例:5STEPs段落構成】(765字)
STEP1
ロシア語を学ぶことは、将来の仕事や生活において、対立の多い国際社会を複眼的に理解する力になると考える。ロシア語圏はロシア連邦だけでなく、中央アジアや旧ソ連地域にも広がっており、政治、資源、移民、文化交流の面で日本と関係が深い。英語だけでは届きにくい情報に触れるためにも、ロシア語を身につけたい。
STEP2
仕事では、国際交流、報道、教育、貿易、観光、研究などの分野で活かしたい。たとえばエネルギー問題や北方領土問題を考える際、翻訳された情報だけに頼ると、相手社会の論理や感情を単純化してしまう危険がある。ロシア語で新聞、演説、文学、映画に触れることで、現地の人々がどのような言葉で世界を捉えているかを理解できる。
STEP3
生活面でも、ロシア語は人との関係を広げる。日本にもロシア語を母語とする人や、旧ソ連地域につながる人がいる。地域での交流、学校での支援、観光案内などで、相手の言語を少しでも使えることは信頼につながる。言語を学ぶことは、相手を一つの国名や政治体制で決めつけない姿勢を育てる。
STEP4
また、ロシア文学や音楽を原語で味わうことも大切にしたい。トルストイ、ドストエフスキー、チェーホフの作品には、人間の罪、信仰、孤独、社会的不平等への問いがある。原語に近づくことで、日本語訳だけでは見えない語感やリズムを感じられる。
STEP5
結論として、ロシア語は単なる実用語ではなく、歴史的対立を抱える地域を理解し、異なる価値観を持つ人と対話するための道具である。将来は、ロシア語を使って情報を正確に読み取り、日本とロシア語圏の人々の間にある誤解を少しでも減らす仕事や活動に関わりたい。そのために大学では、文法や会話だけでなく、歴史、文学、政治、地域社会を結びつけて学びたい。相手の言葉で考える努力を続けることが、対立を単純化せず、平和的な交流を支える基礎になると考える。



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