【問題概要】
上智大学 外国語学部 ロシア語学科 編入学試験 2022年度の小論文過去問です。
【設問文全文】
以下の文章を読んで、設問に答えてください。課題文は、ことばの「意味(中心的意味)」と「語感(周辺的意味)」の違いを扱い、類義語の微妙なニュアンスを感じ取る能力について述べる。
問1:「顔」と「つら」という二語は、「中心的意味」は同じだがその「語感(周辺的意味)」が異なるものと考えられますが、これらの二語について、あなたが感じる「語感」の違いを説明してください。
問2:外国語を学ぶ際に、その外国語の、ある語の「意味(中心的意味)」と「語感(周辺的意味)」の双方を身につけることは可能だと思いますか。もし習得可能であるならば、習得を目指す必要はあるでしょうか。あなたがその可能性・必要性についてそれぞれどのように考えるか、そう考える根拠と共に述べてください。
問1【解説】
中心的意味は同じでも、敬意や乱暴さの差があることを説明します。
問1【解答例】(163字)
「顔」は、人の頭部の前面を指す中立的で一般的な語であり、日常会話でも文章でも広く使える。一方、「つら」は同じ対象を指していても、相手を低く見る響きや乱暴さを伴いやすい。「顔を洗う」は普通の表現だが、「つらを洗う」はくだけた印象や荒い口調になる。したがって両者の中心的意味は近いが、語感は敬意、距離感、感情の強さにおいて異なる。
問2【解説】
5STEPs法での書き方
STEP1で立場、STEP2で必要性、STEP3で習得方法、STEP4で限界、STEP5で結論を述べます。
問2【解答例:5STEPs段落構成】(556字)
STEP1
外国語学習で、語の中心的意味と語感の双方を身につけることは可能であり、また必要であると考える。ただし、辞書で一度確認するだけで身につくものではない。語感は、その語がどの場面で、誰に向けて、どの文体で使われるかを多く経験する中で少しずつ理解される。
STEP2
中心的意味だけを知っていても、適切なコミュニケーションは難しい。たとえば英語で子どもを指す語、友人を呼ぶ語、依頼をする表現には、親しさや丁寧さの違いがある。意味が同じでも、使う語によって失礼に聞こえたり、距離が近すぎたりすることがある。
STEP3
語感を学ぶには、文学作品、映画、会話、新聞、SNSなど、複数の文脈で同じ語に触れることが必要である。また、母語話者からの指摘や、自分の失敗を通じて、語の持つ響きを修正していくことも大切である。
STEP4
もちろん、外国語学習者が母語話者と完全に同じ語感を持つことは難しい。しかし完全でなくても、語感を学ぼうとする姿勢は必要である。相手への敬意や場面への配慮は、語の選び方に表れるからである。
STEP5
結論として、中心的意味は理解の入口であり、語感はその語を社会の中で使うための感覚である。外国語を実際に使うなら、意味だけでなく語感も学ぶ必要がある。語感を身につけることは、単語数を増やすことではなく、その言語を話す人々の関係の作り方を学ぶことでもある。



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