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上智大学 外国語学部 ポルトガル語学科 帰国生入試 2022年度 小論文 過去問解説

【問題概要】

上智大学 外国語学部 ポルトガル語学科 帰国生入試 2022年度の小論文過去問です。

【設問文全文】

次の文章を読み、後の設問に答えなさい。課題文は、コロナ禍で頻繁に用いられた「不要不急」という語を手がかりに、人の生にとっての「必要なもの」、「不要なもの」、その二つの間にある「大事なもの」を論じる。信頼できる人間関係、安心できる場所、地域の生活空間、なじみの店、医療や介護の体制、公共交通、大切な書物や音楽、四季の風景、大切な思い出などは、利潤原理だけでは評価できない「大事なもの」であるとされる。

[設問] ※解答は別添の解答用紙に、必ず設問の番号とともに記入すること。なお解答は番号順でなくともよい。

1. 下線部A「狂気じみた笑劇」とあるが、著者はなぜこのように形容したのか。160字以内で答えなさい。

2. 下線部Bに言及のあるコロナ騒動からの学びを、著者はどのように論じているか。140字以内で答えなさい。

3. 著者が展開している、人の生にとっての「必要なもの」、「不要なもの」、そしてその二つの間にある「大事なもの」をめぐる考え方を、あなた自身はどう評価するか。本文で言及されていない具体例も交えながら、400字以内で論じなさい。

1【解説】

160字以内なので、利潤拡大への批判と「生に必要なもの」の喪失をまとめます。

1【解答例】(144字)

 著者は、経済成長や利潤拡大の名の下に、人々が本来守るべき生活の質や文化、人間関係を犠牲にしてきた状況を、滑稽でありながら深刻なものとして捉えている。不要不急を無限に拡大する発想が、生に必要なものまで奪い、市場で測れない価値を壊しかねないためである。しかも人々はそれを進歩と思い込んできた。

2【解説】

140字以内なので、コロナ禍で見えた「大事なもの」を中心に答えます。

2【解答例】(127字)

 著者は、コロナ騒動によって、生存に必要なものと単なる不要なものの間に、信頼できる関係、安心できる場所、文化や思い出などの「大事なもの」があると学んだと論じている。それは経済成長や利潤だけでは得られず、むしろ過度な市場競争で失われかねない生活の基盤である。

3【解説】

400字以内の意見論述なので、立場、理由、本文外の具体例、結論を入れます。

3【解答例】(362字)

 著者の考え方は妥当である。人の生は、食料や医療のような「必要なもの」だけで成り立つわけではない。一方で、単なる浪費として切り捨てられるものの中にも、人の尊厳や共同性を支える「大事なもの」がある。たとえば地域の祭りは、生存に不可欠ではないが、世代をつなぎ、土地への愛着を育てる。小さな書店や喫茶店も、効率だけで見れば不要に思えるが、人が偶然出会い、考えを深める場所になる。部活動や合唱の練習も、進学や収入に直結しなくても、仲間と時間を重ねる経験を与える。市場で高く評価されないからといって価値が低いとは言えない。むしろ、生活の充実には適切なサイズがあり、無限の拡大を追う社会ほど大事なものを壊しやすい。必要、不要、大事を区別して考えることは、学校、地域、家庭のあり方を見直すうえでも重要であり、人間らしい社会を保つ条件である。

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