【問題概要】
上智大学 経済学部 経済学科 帰国生入試 2022年度の小論文過去問です。
【設問文全文】
問題 以下の文章は、インフォーマル経済について研究する文化人類学者の小川さやか氏の著書『チョンキンマンションのボスは知っている』の一部である。課題文は、香港のタンザニア人商人たちの相互扶助について、他者の「事情」に踏み込まず、メンバー相互の厳密な互酬性や義務と責任を問わず、無数に機会を見いだす個々の「知恵」に賭ける関係を描いている。
問1 筆者が以上の文章において言いたいことを、できるだけ文中の言葉を用いて250字以内で要約しなさい。
問2 筆者の言いたいことについて、あなたはどう思うか、自らの経験に基づきながら200字以内で意見を述べよ。
問1【解説】
問1は250字以内なので、「事情に踏み込まない」「互酬性を問わない」「知恵に賭ける」を軸に要約します。
問1【解答例】(227字)
筆者が言いたいのは、香港のタンザニア人商人たちの助け合いは、原因や責任を厳密に問う制度的な相互扶助ではなく、たまたまその場にいる他者が陥った状況に応答する実践だということである。彼らは寄付額の公平性やフリーライダー問題を細かく追及せず、相手の事情に踏み込みすぎない。むしろ、無数のつながりの中から将来の機会を見いだす個々の「知恵」に賭け、ゆるやかな互助を維持している。そこでは、助けた相手から直接返礼されるかより、関係全体が開かれていることが重視される。
問2【解説】
問2は200字以内なので、自分の経験に引きつけて賛否の両面を示します。
問2【解答例】(181字)
私はこの関係に、現代社会で失われがちな寛容さを見る。学校の共同作業でも、誰がどれだけ貢献したかを細かく数えると、協力より不信が強まることがある。一方で、完全に責任を問わないと負担が偏る危険もある。だから、相手を責める前に事情を決めつけず、必要な時は助ける姿勢を基本にしつつ、継続的な関係では役割を共有する工夫も必要だと考える。信頼と公平の均衡がとても大切である。



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