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上智大学 総合人間科学部 社会福祉学科 編入学試験 2021年度 小論文 過去問解説

【問題概要】

上智大学 総合人間科学部 社会福祉学科 編入学試験 2021年度の小論文過去問です。

【設問文全文】

次の文章と図を読み、設問に答えなさい。ファインスタインは、イギリス社会における親の社会経済的地位と子どもの学業成績の関係を調査するために、1970年生まれの子どもたちの生後22カ月、42カ月、60カ月、120カ月時の認知テストの平均点と、親の社会経済的地位(SES)の関係性を分析した。

(1) 前ページの文章と図から、親の社会経済的地位と子どもの認知能力の関係性が、子どもの年齢とともにどのように変化したかを説明しなさい。

(2) あなたは前ページの文章と図から、生まれた家庭の社会経済的地位は子どもの人生にどのような影響を及ぼすと考えますか。また、その影響をどのように評価するか論じなさい。

(3) 子どもの「機会の平等」を保障するため、社会保障や社会福祉制度はどのような政策対応をする必要があると考えるか、具体的な政策内容とともに論じなさい。

設問1【解説】

初期得点だけでなく、親のSESによってその後の推移が分かれる点を説明します。

設問1【解答例】(194字)

 図では、22カ月時点で高得点だった子どもでも、親の社会経済的地位が低い場合には、その後の認知テスト成績が相対的に低下していく。一方、22カ月時点で低得点だった子どもでも、親の社会経済的地位が高い場合には、年齢が上がるにつれて成績が伸びる。つまり、初期の能力差だけでなく、家庭の資源、教育環境、文化的刺激が成長過程に影響し、年齢とともに社会経済的地位の差が認知能力の差として現れやすくなる。

設問2【解説】

家庭環境が子どもの人生に及ぼす影響を、自己責任ではなく社会的条件として評価します。

設問2【解答例】(221字)

 生まれた家庭の社会経済的地位は、教育機会、学習環境、健康、自己肯定感、人間関係に大きな影響を及ぼす。所得が高い家庭では、良質な保育、教材、習い事、安定した住環境を得やすい。親の学歴や職業経験も、子どもの進路選択に影響する。低所得家庭の子どもが努力しても、家庭外の支援が乏しければ、能力を伸ばす機会が制限される。これは本人の責任ではなく、社会的に不公平な条件である。したがって、この影響は放置すべきでなく、社会政策によって補正されるべきである。

設問3【解説】

乳幼児期から学校段階までの具体的政策を挙げます。

設問3【解答例】(248字)

 機会の平等を保障するには、乳幼児期からの支援が必要である。具体的には、保育の無償化と質の向上、低所得世帯への現金給付、給食・医療・住宅支援、学習支援、家庭訪問、親への就労支援を組み合わせるべきである。学校段階では、少人数教育、放課後学習、奨学金、進路相談を充実させる必要がある。重要なのは、子どもだけでなく家庭全体を支えることである。親の貧困、孤立、長時間労働が改善されなければ、子どもの学習環境も安定しない。社会福祉制度は、困窮後の救済だけでなく、人生初期の不利を予防する役割を担うべきである。

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