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上智大学 文学部 ドイツ文学科 外国人入試 2021年度 小論文 過去問解説

【問題概要】

上智大学 文学部 ドイツ文学科 外国人入試 2021年度の小論文過去問です。

【設問文全文】

以下の文章の内容を踏まえて、大学で人文学を学ぶことについて、あなたの考えを600字〜800字にまとめて述べなさい。

課題文は、「役に立つ」ことと結びつけて学問を理解する見方を取り上げ、現代における教養や人文学の意味を問う内容である。

問題【解説】

設問条件の判定

600〜800字の意見論述であり、人文学の意義を具体化する必要があるため5STEPs法で構成します。

5STEPs法での書き方

STEP1で問題設定、STEP2で人間理解、STEP3で言葉の力、STEP4で専門知との関係、STEP5で結論を述べます。

問題【解答例:5STEPs段落構成】(726字)

STEP1

 大学で人文学を学ぶ意味は、すぐに職業上の技能へ変換できるかどうかだけでは測れない。課題文が示すように、現代では学問を「役に立つ」かどうかで評価する傾向が強い。しかし、人文学は短期的な効率とは別の仕方で、社会を生きる力を支えている。

STEP2

 人文学の第一の意義は、人間を単純化しない視点を得ることにある。文学、哲学、歴史、言語を学ぶと、人は経済的利益だけで動く存在ではなく、記憶、欲望、信仰、恐れ、誇りを持つ存在だと分かる。社会問題を考える際にも、この複雑さを理解しなければ、制度や政策は人々の実感から離れてしまう。たとえば移民、貧困、戦争を考える時、統計だけでなく、当事者がどのように世界を経験しているかを読む力が必要である。

STEP3

 第二に、人文学は言葉を扱う力を育てる。私たちは言葉によって他者を理解し、意見を形成し、社会の中で合意や対立を作る。文章を読み、解釈し、自分の考えを書く訓練は、情報があふれる現代で特に重要である。強い言葉や短い結論に流されず、文脈を読み取る力は民主的な社会にも必要である。言葉を雑に扱えば、他者への理解も政治的判断も雑になる。

STEP4

 もちろん、人文学だけで現実の問題が解決するわけではない。医療、工学、経済、法制度などの専門知識も不可欠である。しかし、それらを何のために使うのか、誰の声が見落とされているのかを問う力は、人文学によって鍛えられる。役に立つかどうかを狭く考えるほど、この役割は見えにくくなる。

STEP5

 結論として、大学で人文学を学ぶことは、職業訓練の外側にある余分な学びではない。それは、人間を理解し、言葉を吟味し、社会の方向を考えるための基礎である。変化の速い時代だからこそ、人文学は、何が本当に役に立つのかを問い直す学問として重要である。

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