【問題概要】
上智大学 外国語学部 ドイツ語学科 公募制推薦入試 2021年度の小論文過去問です。
【設問文全文】
設問:以下の文章を読んで、下記の問題に答えなさい。
問題1. 上記の文章を要約しなさい。(400字以内)
問題2. 現在の日本に難民が押し寄せた場合、どのような問題が起きうると思いますか。またその問題に対処するにはどうしたらいいと考えますか。思うところを論じなさい。(800字以内)
問題1【解説】
400字以内なので、難民定義、判断の難しさ、受け入れ国の課題をまとめます。
問題1【解答例】(360字)
課題文は、難民の定義と受け入れをめぐる問題を説明している。難民とは、単に貧困や災害で移動する人ではなく、人種、宗教、国籍、特定の社会的集団への所属、政治的意見などを理由に迫害を受けるおそれがあり、祖国の保護を受けられない人を指す。ただし、実際には内戦、政治的混乱、貧困、差別が重なり、誰を難民として保護するかの判断は難しい。また、難民認定の厳しさは、救うべき人を排除する危険も持つ。受け入れ国には人道的責任がある一方、住居、雇用、教育、治安、財政の負担も生じる。さらに、難民を社会から孤立させれば、本人の生活再建も地域の安定も難しくなる。難民を助けるには、国際法上の保護だけでなく、受け入れ後の生活再建を考える必要がある。したがって、難民問題は同情だけでなく、法的基準、社会統合、受け入れ体制を総合的に考える必要がある。
問題2【解説】
5STEPs法での書き方
STEP1で起こりうる問題、STEP2で地域摩擦、STEP3で制度、STEP4で地域連携、STEP5で結論を述べます。
問題2【解答例:5STEPs段落構成】(744字)
STEP1
現在の日本に多数の難民が押し寄せた場合、第一に住居、医療、教育、雇用の受け入れ体制が不足する問題が起きると考える。日本は難民認定数が少なく、自治体や学校、病院が大規模な受け入れに慣れているとは言いにくい。言語支援が不十分なら、生活情報や行政手続きにアクセスできない人が増える。
STEP2
第二に、地域住民との摩擦や偏見が生じる可能性がある。難民が突然増えれば、治安や仕事をめぐる不安が広がり、事実に基づかない排外的な言説も出やすい。難民自身も孤立すれば、貧困や精神的負担が深まり、社会統合が難しくなる。
STEP3
対処には、まず国が迅速で公正な審査制度を整える必要がある。保護すべき人を長期間不安定な立場に置かず、仮滞在中にも医療、教育、日本語学習、就労機会を保障すべきである。特に子どもには、学校での日本語支援と心のケアを早期に用意しなければならない。
STEP4
同時に、自治体、NPO、企業、地域住民が協力する仕組みが必要である。住宅の確保、職業訓練、通訳、相談窓口を地域ごとに整え、住民にも難民の背景を説明する。受け入れ側の不安を無視せず、公開された情報と交流の場を作ることが重要である。
STEP5
結論として、難民受け入れは人道的責任であるが、善意だけでは持続しない。法的保護、生活支援、地域との対話を組み合わせることで、難民を一時的な保護対象ではなく、社会の一員として迎える必要がある。日本は受け入れ経験の少なさを理由に避けるのではなく、制度を準備して国際的責任を果たすべきである。その際、国民に負担を隠すのではなく、必要な費用と目的を説明することも大切である。受け入れ人数、地域配分、財源を明確にし、支援に携わる自治体を孤立させない仕組みも必要である。難民の尊厳と地域社会の安定を同時に守る設計が、長期的な共生の条件になる。



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