【問題概要】
上智大学 経済学部 経済学科 帰国生入試 2021年度の小論文過去問です。
【設問文全文】
次の文章を読み、それに続く2つの問題に答えなさい。課題文は、待機児童問題、母親の就業、相関関係と因果関係、実証ミクロ経済学、EBPM(Evidence Based Policy Making)について説明する。
問1-A. 出身大学の偏差値と年収の間には相関関係が見られる。この事実から、「偏差値の高い大学に行けば年収が上がる」と結論づけることができるか。できるかどうかあなたの考えを明示した上で、本文の説明に基づいて、その理由を300字程度で答えなさい。
問2. 近年、データを用いた実証分析による因果関係の特定を基に、政策を形成しようという機運が高まりつつある。このような、実証結果に基づく政策形成のことを、Evidence Based Policy Making(EBPM)と呼ぶ。EBPMの導入には、どのようなメリットがあると考えられるか。あなたの考えを200字程度で答えなさい。
問1-A【解説】
300字程度なので、相関と因果の違い、交絡要因、必要な分析を入れます。
問1-A【解答例】(288字)
結論づけることはできない。偏差値の高い大学の出身者ほど年収が高いという相関があっても、それだけでは大学の偏差値が年収を上げたとは言えないからである。もともと学力、家庭の所得、親の学歴、地域、本人の勤勉さなどが高い人ほど偏差値の高い大学に進みやすく、同時に高収入になりやすい可能性がある。この場合、年収を上げているのは大学名そのものではなく、入学前からの条件かもしれない。また、卒業後の職業選択や都市部で働く割合も影響する。因果関係を示すには、同じ能力や家庭環境を持つ人を比較するなど、他の要因を取り除いた分析が必要である。相関を見ただけで進学先の効果と断定するのは危険である。
問2【解説】
200字程度なので、効果検証、予算配分、説明責任、注意点をまとめます。
問2【解答例】(188字)
EBPMのメリットは、政策を印象や声の大きさではなく、実際の効果に基づいて選べる点にある。たとえば保育園整備や教育支援でも、どの政策が誰にどの程度効果を持つかを検証できれば、限られた予算を有効に使える。また、失敗した政策を早く見直し、説明責任を果たしやすくなる。政策の優先順位も明確になる。ただし、数値化しにくい価値もあるため、データと現場の声を組み合わせることが重要である。



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