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上智大学 総合人間科学部 社会福祉学科 外国人入試 2021年度 小論文 過去問解説

【問題概要】

上智大学 総合人間科学部 社会福祉学科 外国人入試 2021年度の小論文過去問です。

【設問文全文】

次のグラフをみて答えなさい。

1. 子供から得る限界便益について、社会や時代によって異なりますが、先進諸国では限界便益が得られにくくなっているとしたらその理由について述べなさい。

2. 社会保障の充実によって限界費用は下がると考えられますが、どのような政策によって限界費用は下げられると思うか考えられることを述べなさい。

3. 女性の高学歴化と仕事の継続、そして子供の高学歴化は限界便益と限界費用に対してどのように作用するでしょうか、考えられることを述べなさい。

設問1【解説】

産業化、都市化、社会保障の充実、価値観の変化を結びつけます。

設問1【解答例】(234字)

 先進諸国で子供から得る限界便益が得られにくくなっている理由は、子供を労働力や老後保障として必要とする度合いが小さくなったからである。農業社会では子供は家業を助け、親の老後を支える存在だった。しかし都市化と産業化が進むと、子供は家計を助ける労働力ではなく、教育費や養育費を必要とする存在になる。また年金、医療、介護などの社会保障が整えば、老後を子供に頼る必要も弱まる。さらに個人の自由、仕事、余暇を重視する価値観が広がり、子供を持つことの心理的便益も人によって分かれる。

設問2【解説】

育児の直接費用と仕事を失う機会費用の両方を下げる政策を示します。

設問2【解答例】(224字)

 限界費用を下げる政策としては、保育、教育、住宅、雇用の負担軽減が重要である。具体的には、保育所の整備、保育料の軽減、育児休業給付の充実、男性の育休取得促進、児童手当、医療費助成、大学までを含む教育費支援が考えられる。また長時間労働を是正し、短時間勤務や在宅勤務を選びやすくすれば、育児による就業中断の費用を下げられる。ひとり親や低所得世帯には住宅支援と就労支援を組み合わせる必要がある。子供を持つことが生活の不安定化につながらない制度が必要である。

設問3【解説】

女性の就業継続と子供の高学歴化が便益・費用の双方に働くことを整理します。

設問3【解答例】(229字)

 女性の高学歴化と仕事の継続は、子供を持つことの機会費用を高める。出産や育児によってキャリアが中断され、賃金や昇進機会を失うなら、限界費用は上がる。一方で、女性の所得が安定すれば家計の支えが増え、保育や教育への投資も可能になるため、制度次第では費用を下げる効果もある。子供の高学歴化は教育費を増やすため限界費用を上げるが、将来の所得や社会参加への期待を高める点では限界便益も上げる。したがって、教育費の公的支援と仕事と育児の両立支援が、少子化対策の中心になる。

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