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上智大学 文学部 ドイツ文学科 公募制推薦入試 2021年度 小論文 過去問解説

【問題概要】

上智大学 文学部 ドイツ文学科 公募制推薦入試 2021年度の小論文過去問です。

【設問文全文】

以下の文章の内容を踏まえて、「教養」の概念について、あなたの考えを600字〜800字にまとめて述べなさい。

課題文は、阿部次郎と「大正教養主義」に触れ、教養という概念の意味を考えさせる内容である。

問題【解説】

設問条件の判定

600〜800字の意見論述であり、課題文の概念理解と自分の考えが必要なため5STEPs法で構成します。

5STEPs法での書き方

STEP1で教養の定義、STEP2で相対化、STEP3で専門との関係、STEP4で現代的意義、STEP5で結論を述べます。

問題【解答例:5STEPs段落構成】(721字)

STEP1

 教養とは、単に多くの知識を持っていることではない。課題文が阿部次郎や大正教養主義に触れているように、教養は、文学、哲学、歴史などを通じて自分の生き方を問い、人格を形成しようとする営みに関わる概念である。知識量だけなら検索で補えるが、何を大切にして生きるかは自分で考えなければならない。

STEP2

 第一に、教養は自分の考えを相対化する力である。自分が当然だと思っている価値観も、別の時代や文化の思想に触れると、必ずしも唯一のものではないと分かる。文学を読むと、他者の痛みや葛藤を想像する力が育つ。歴史を学ぶと、現在の制度や常識が偶然の積み重ねでできたことに気づく。つまり教養は、自分の狭い経験だけで世界を判断しないための訓練である。

STEP3

 第二に、教養は専門知識を社会の中で使うための土台である。専門的能力だけが高くても、それを何のために用いるのかを判断できなければ危うい。科学技術、経済、法律の知識は社会を便利にするが、人間の尊厳や公平性を考える視点がなければ、弱い立場の人を傷つけることもある。

STEP4

 一方で、教養を一部の人だけの高尚な趣味にしてはならない。教養は、古典を知っていることを誇るためではなく、他者と共に社会を作るために必要な公共的な力である。現代では、情報が多すぎるからこそ、情報を選び、疑い、意味づける力が求められる。教養のない専門性は視野を狭くし、専門性のない教養は現実への働きかけを弱くする。

STEP5

 したがって、教養とは、知識を通じて自分と社会を問い直す力である。大学で教養を学ぶ意味は、すぐ役に立つ技能を得ることだけではなく、専門を超えて人間と社会を考える視野を得ることにある。教養は、変化の大きい時代に自分の判断を支える極めて重要な知的基盤なのである。

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