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上智大学 法学部 国際関係法学科 カトリック高等学校対象特別入試 2018年度 小論文 過去問解説

【問題概要】

上智大学 法学部 国際関係法学科 カトリック高等学校対象特別入試 2018年度の小論文です。

【設問文全文】

問い:次の文章を読んで、「少数集団(minority group)」とはアメリカ社会の中でどのような集団なのか、文中に書かれている叙述に触れながら分かりやすく説明しなさい。

問1【解説】

5STEPs法での書き方

STEP1で「数量的少数ではなく被圧迫集団」と定義します。STEP2で移民委員会の叙述、STEP3で社会的構築性、STEP4で実際の不利益を述べ、STEP5でアメリカ社会における意味をまとめます。

問1【解答例:5STEPs段落構成】(782字)

STEP1

 アメリカ社会における「少数集団」とは、単に人口が少ない集団のことではない。課題文は、この言葉が本来ヨーロッパで数量的少数を指していたのに対し、アメリカでは、アメリカ人としての資格と影響力において劣弱な集団、すなわち被圧迫集団を意味するようになったと説明している。重要なのは、数ではなく、社会の中で置かれる力関係である。

STEP2

 この考え方は、1907年の移民委員会の調査に表れている。報告は客観的な実態調査というより、「新移民」が「旧移民」より劣等であることを証明しようとする政策的意図を持っていた。そこではアイルランド人、日本人、南イタリア人などが排除されるべき民族として列挙された。つまり少数集団は、支配的な側が問題ある集団として名づけた存在でもある。

STEP3

 したがって、少数集団は固定された自然な分類ではなく、社会が作り出す分類である。課題文が「近代アメリカ社会が構築したフィクション」と述べるのはこのためである。ある時代に少数集団とされたドイツ人やスウェーデン人が、後にはそうでなくなることがあるように、その範囲は時代の政治、経済、文化状況によって変化する。

STEP4

 もっとも、フィクションだから現実の被害がないという意味ではない。いったん少数集団とみなされると、就職、教育、居住、政治参加などで不利益を受けやすくなる。また社会不安が高まると、多数派は不満の原因を特定の集団に押しつける。課題文の「吸音板」という表現は、社会の問題の爆発音を弱い集団に吸収させる仕組みを示している。

STEP5

 以上より、アメリカ社会の少数集団とは、人口比ではなく、権力と承認の面で周縁化され、社会問題の受け皿にされる集団である。移民の歴史を通じて、その集団は任意に設定され、時代とともに変わってきた。答案では、少数集団を数の問題としてではなく、差別、排除、同化、社会的責任転嫁の問題として説明することが大切である。

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