上智大学 総合人間科学部社会福祉学科 学部学科試験・共通テスト併用方式 2025年度 小論文過去問解説(生産年齢人口減少と社会福祉)
問2【解説】
設問文
以下の問いに答えなさい。図1は、15-64歳人口と就業者数の推移を示している。図2は、15-64歳人口と就業率の推移を示している。2つの図から読み取れることを説明したうえで、15-64歳人口(生産年齢人口)の減少が日本の社会・経済にもたらす問題を複数あげ、その対応策として行われていることについて述べなさい。字数はすべて合わせて500字以上600字以内とする。
設問条件の判定
- 制限字数: 500字以上600字以内
- 意見論述の要求: あり
- 選択テンプレート: 5STEPs法
- 判定根拠: 図1・図2から読み取れることを説明し、生産年齢人口減少が日本の社会・経済にもたらす問題と対応策を述べる設問である。
解答プロセス
- STEP1 要件確認: 図の読み取り、問題の複数提示、対応策の提示をすべて満たす。
- STEP2 図の把握: 15〜64歳人口は減少する一方、就業者数や就業率は女性・高齢者の参加で一定程度支えられている。
- STEP3 問題提示: 労働力不足、社会保障財源の弱体化、介護・医療人材不足を挙げる。
- STEP4 対応策: 女性・高齢者・障害者・外国人を含む就労支援、介護ロボット、処遇改善、少子化対策を示す。
- STEP5 結論: 人口減少を前提に、働き方と福祉制度を再設計する必要を述べる。
問2【解答】
図1からは、15〜64歳人口が長期的に減少している一方、就業者数はそれほど同じ幅では減っていないことが読み取れる。図2からは、就業率が上昇し、女性や高齢者の労働参加が進んでいると考えられる。つまり、日本では生産年齢人口の減少を、就業率の上昇によってある程度補ってきたが、人口構造そのものの縮小は避けられない。
生産年齢人口の減少は、第一に労働力不足をもたらす。企業の人手不足だけでなく、介護、医療、保育、物流など生活を支える分野で人材確保が難しくなる。
第二に、税や社会保険料を負担する層が減り、年金、医療、介護の財源が弱くなる。第三に、地域では働き手の減少により、商店、交通、行政サービスが維持しにくくなる。
対応策としては、まず女性、高齢者、障害者が働き続けやすい環境を整える必要がある。保育、介護休業、短時間勤務、合理的配慮を充実させれば、働く意思のある人が排除されにくくなる。また、外国人労働者の受け入れでは、単なる人手補充ではなく、日本語教育、相談支援、労働条件の保護が不可欠である。
さらに、介護や医療ではICT、ロボット、記録業務の省力化を進め、専門職が人に向き合う時間を確保すべきである。少子化対策として、教育費負担の軽減や若年層の雇用安定も必要である。人口減少社会では、働ける人を増やすだけでなく、誰もが支え手にも受け手にもなり得る制度へ転換することが重要である。
字数カウント: 593字



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