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鳥取大学 地域学部地域創造コース 前期日程 2018年度 小論文過去問解説(女性の政治参画と地域の政治)

鳥取大学 地域学部地域創造コース 前期日程 2018年度 小論文過去問解説(女性の政治参画と地域の政治)

問1【解説】

設問条件の判定

  • 制限字数: 300字以内
  • 意見論述の要求: なし
  • 選択テンプレート: 自由形式
  • 判定根拠: 女性をとりまく政治的状況について、課題文における筆者の見解を要約する問題であるため。

設問文

問1 女性をとりまく今日の政治的状況について、その背景と現状はいかなるものであると課題文では述べられていますか。筆者の見解を300字以内で要約しなさい。

課題文・資料の整理

課題文は、政治が政治家という専門家の営みとして捉えられるようになり、政治家が扱わない問題は政治的問題でないかのように見なされてきたと述べる。代表者に偏りがあると、政治の意思決定にも偏りが生じ、女性が多く関わる生活上の問題が政治の場に上がりにくくなる。

解答プロセス

政治の専門家化、代表者の偏り、女性が関わる生活課題の不可視化、市川房枝の「政治は生活」という主張を300字以内でまとめる。

問1【解答】

筆者は、近代国家の制度化によって、政治が政治家という専門家集団の営みとして捉えられるようになったと述べる。その結果、政治家が取り扱わない問題は政治的問題ではないかのような意識が広がった。民主的制度は本来、社会の成員を代表する人々によって政治を行うためのものだが、代表者に偏りがあれば、扱われる問題にも偏りが生じる。女性が意思決定過程に十分参加してこなかったため、女性が多く関わる生活上の問題は政治の場に上りにくかった。だから女性の政治参画は、既存の政治制度に入るだけでなく、生活上の問題を政治として捉え直す意味を持つ。

字数カウント: 259字

問2【解説】

設問条件の判定

  • 制限字数: 800字以内
  • 意見論述の要求: あり
  • 選択テンプレート: 5STEPs法
  • 判定根拠: 課題文を踏まえ、身近な地域で政治家の政治から取りこぼされた「政治」について具体的に論じる問題であるため。

設問文

問2 課題文を踏まえ、女性の政治参画に限らず、あなたの身近な地域において、政治家が執り行う政治から取りこぼされていった「政治」には、どのようなものがあると考えますか。800字以内で述べなさい。

解答プロセス

5STEPに当てはめた書き方

STEP1 議論の整理

課題文は、政治を政治家の仕事に限定すると、生活上の問題が政治から取りこぼされると述べる。

設問要件対応: 課題文を踏まえる。

STEP2 問題発見

地域では、子育て、介護、移動、孤立など、生活を支える問題が政治課題として扱われにくい。

設問要件対応: 身近な地域の「取りこぼされた政治」を設定する。

STEP3 論証

高齢者や子育て世帯の移動困難を例に、当事者が意思決定に参加しないと問題が見えにくいことを示す。

設問要件対応: 具体例を示す。

STEP4 結論

生活交通を、福祉、教育、商業、地域参加を支える政治課題として扱うべきだと述べる。

設問要件対応: 自分の考えを明示する。

STEP5 吟味

行政や政治家だけに任せず、住民の声を制度に接続する仕組みが必要だと補う。

設問要件対応: 地域社会との関係を考える。

問2【解答】

課題文は、政治を政治家という専門家が行うものに限定すると、生活上の問題が政治から取りこぼされると述べている。私は、身近な地域で取りこぼされてきた政治の一つは、生活交通の問題だと考える。

地域では、高齢者、障がいのある人、子育て中の人、車を持たない若者にとって、病院、買い物、学校、役所へ移動すること自体が大きな負担になる。ところが、交通政策は採算や路線維持の問題として語られやすく、「誰がどこへ行けずに困っているか」という生活の視点が後回しにされることがある。利用者が少ないから路線を減らすという判断は、一見合理的に見える。しかし、その結果、通院できない高齢者、習い事や図書館に行けない子ども、仕事を探しにくい人が生まれるなら、それは地域で生きる権利に関わる政治的問題である。

この問題が取りこぼされる理由は、困っている人の声が意思決定の場に届きにくいからである。昼間の会議に出られない介護者、移動手段がない高齢者、子どもを連れた保護者は、地域の会合や議会に参加しにくい。すると、交通を必要とする人ほど政治的に見えにくくなる。これは課題文が述べる、政治家が扱わない問題が政治ではないかのように見える状況と重なる。

私は、生活交通を福祉、教育、医療、地域参加を支える基盤として扱うべきだと考える。具体的には、住民アンケートだけでなく、病院、学校、商店、福祉施設と連携して移動困難の実態を把握し、予約制乗合交通、スクールバスの地域利用、買い物支援、徒歩圏の拠点整備を組み合わせる必要がある。

政治家が行う政治だけでは、日常の不便は見落とされやすい。だからこそ、住民が生活の中で感じる困りごとを政治の言葉に変え、制度につなげる場を作ることが、地域の政治を取り戻すことになる。

字数カウント: 730字

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