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群馬大学 教育学部 前期日程 2018年度 小論文過去問解説(人口移動と職業観)

群馬大学 教育学部 前期日程 2018年度 小論文過去問解説(人口移動と職業観)

1-問1【解説】

設問条件の判定

  • 制限字数: 400字程度
  • 意見論述の要求: なし
  • 選択テンプレート: 自由形式
  • 判定根拠: 図から読み取れる東京圏への転入・転出の特徴を、指定された二つの時期について社会的背景とともにまとめる資料読解問題であるため。

設問文

図は、東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)への転入者と東京圏からの転出者の総数の推移を示したものである。1955年-1970年と1985年-1995年における人口移動の特徴を読み取り、社会的背景をふまえてまとめなさい。(400字程度)

解答プロセス

1955年から1970年は高度経済成長期であり、地方から東京圏への転入が大きく増えた時期である。1985年から1995年はバブル経済期とその後を含み、東京圏への集中が再び強まる一方、地価上昇や郊外化、景気変動の影響も受ける。答案では、二時期を分けて比較する。

1-問1【解答】

1955年から1970年にかけては、東京圏への転入者が大きく増え、転出者を上回る転入超過が目立つ。背景には、高度経済成長により東京圏に工場、企業、大学、サービス業が集中し、地方の若者が進学や就職のために大量に流入したことがある。地方では農業から工業・都市型産業への就業構造の変化が進み、東京圏が雇用と教育機会を吸収した。これに対して1985年から1995年は、バブル経済期を含み、東京圏への転入が再び増える一方、地価高騰や住宅取得の困難から周辺地域への移動も生じた時期である。バブル崩壊後には景気低迷の影響も受けたが、企業の中枢機能や高等教育機関が東京圏に集中していたため、若者を中心とする流入は続いた。二つの時期はいずれも東京圏の吸引力を示すが、前者は工業化と集団就職、後者は経済の集中と都市機能の高度化が背景にある。

字数カウント: 360字

1-問2【解説】

設問条件の判定

  • 制限字数: 200字程度
  • 意見論述の要求: あり
  • 選択テンプレート: 5STEPs法
  • 判定根拠: 東京圏で若者が地方に戻らず滞留することに伴う問題について、自分の考えを述べる論述問題であるため。

設問文

2007年前後のピークでは、若者の東京圏への「滞留」が転入超過の原因となっている。これに伴ってどのような問題が生じているのか、あなたの考えを述べなさい。(200字程度)

解答プロセス

5STEPに当てはめた書き方

STEP1 議論の整理

進学・就職で東京圏に出た若者が、20代後半や30代になっても地方に戻らなくなっている。

設問要件対応: 「若者の滞留」を踏まえる。

STEP2 問題発見

東京圏と地方の双方に、人口構成と生活環境のひずみが生じる。

設問要件対応: 「どのような問題が生じるか」を設定する。

STEP3 論証

地方では若年層が減り、地域の担い手不足が進む。東京圏では住宅費や保育環境の負担が重くなる。

設問要件対応: 問題を複数示す。

STEP4 結論

人口集中は地方衰退と都市の過密を同時に進める。

設問要件対応: 自分の考えを結論化する。

STEP5 吟味

個人の移動の自由は尊重しつつ、地方にも働き続けられる条件を整える必要がある。

設問要件対応: 一面的な都市批判を避ける。

1-問2【解答】

若者が東京圏に滞留すると、地方では子育て世代や働き手が減り、地域産業、自治会、学校、医療・福祉を支える人材が不足する。高齢化も進み、地域の維持が難しくなる。一方、東京圏では住宅費の高さ、通勤混雑、保育所不足などが深刻になり、若者が生活基盤を築きにくい。つまり、東京圏への集中は、地方の衰退と都市の過密を同時に進める問題を生む。

字数カウント: 163字

2-問1【解説】

設問条件の判定

  • 制限字数: 200字程度
  • 意見論述の要求: なし
  • 選択テンプレート: 自由形式
  • 判定根拠: 下線部について、筆者が「夢は固定的ではなく育つ」と結論づける理由を本文に即して説明する問題であるため。

設問文

下線部について、筆者がそのように結論づけている理由を説明しなさい。(200字程度)

解答プロセス

本文では、小学生や中学生の時に希望していた仕事に就いた人は少ないのに、仕事にやりがいを感じた人は多いとされる。これは、希望や夢が仕事の経験、工夫、失敗後の目標変更によって変化しうることを示している。

2-問1【解答】

筆者がそう考えるのは、子どものころ希望していた仕事に就いた人は少ないのに、多くの人が仕事にやりがいを感じているからである。初めは望んでいなかった仕事でも、続ける中でやり方を覚え、工夫し、面白さを見いだすことがある。また、希望がかなわなかったときにも、人は挫折を踏まえて次の目標を設定し直せる。したがって夢は一度決めたら変わらないものではなく、経験によって変わり、自分で変えることもできるといえる。

字数カウント: 198字

2-問2【解説】

設問条件の判定

  • 制限字数: 400字程度
  • 意見論述の要求: あり
  • 選択テンプレート: 5STEPs法
  • 判定根拠: 子どもが「夢の職業」を目指す意義と限界を、本文を踏まえて自分の考えとして論じる問題であるため。

設問文

子どもが「夢の職業」を思い描き、それを目指すことに、どのような意義と限界があるだろうか。本文を踏まえて、あなたの考えを述べなさい。(400字程度)

解答プロセス

5STEPに当てはめた書き方

STEP1 議論の整理

本文は、希望した職業に就く人は少なくても、多くの人が仕事にやりがいを感じることを示し、夢は変わりうると述べる。

設問要件対応: 「本文を踏まえて」に対応する。

STEP2 問題発見

夢の職業を固定した目標として扱うと、実現しなかったときに自分を失敗者と見なしやすい。

設問要件対応: 「限界」を明確にする。

STEP3 論証

演繹法を用いる。夢は行動の方向を与えるものだが、社会や本人の経験は変化する。したがって、夢も経験に応じて更新されるべきである。

設問要件対応: 意義と限界をつなぐ。

STEP4 結論

夢の職業を持つ意義は努力のきっかけを作る点にあり、限界はそれを唯一の成功基準にしてしまう点にある。

設問要件対応: 自分の考えを示す。

STEP5 吟味

大人は、夢を持つことだけでなく、夢を変えながら働く意味を見つける力も伝えるべきである。

設問要件対応: 教育学部の問題として、子どもへの関わり方に着地させる。

2-問2【解答】

子どもが夢の職業を思い描く意義は、学ぶ意欲や努力の方向を得られる点にある。医師、教師、スポーツ選手など具体的な目標があれば、必要な力を知り、現在の学習や経験を将来と結びつけやすい。夢は、子どもが自分の可能性を考える入口になる。

しかし、夢の職業を唯一の正解のように扱うことには限界がある。本文では、子どものころ希望していた仕事に就いた人は少ないが、多くの人が仕事にやりがいを感じているとされる。実際の仕事は、経験し、工夫し、人と関わる中で面白さが見えてくる。希望がかなわないことを失敗とだけ考えれば、新しい目標を見つける力を失ってしまう。

したがって大人は、夢を持つことを励ましつつ、夢は変わってよいことも伝えるべきである。大切なのは、特定の職業名に固執することではなく、失敗や偶然の出会いを通じて自分の希望を育て直す力を身につけることである。

字数カウント: 370字

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