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大阪府立大学 地域保健学域総合リハビリテーション学類理学療法学専攻・作業療法学専攻 前期日程 2020年度 小論文過去問解説(AI・ロボットと老い)

大阪府立大学 地域保健学域総合リハビリテーション学類理学療法学専攻・作業療法学専攻 前期日程 2020年度 小論文過去問解説(AI・ロボットと老い)

問題1・設問1【設問文】

設問1 あなたは、なぜ理学療法士および作業療法士がAIやロボット等による代替可能性の低い職業に選ばれたと思いますか。あなたの考えを400字以上600字以内(句読点を含む)で述べなさい。

問題1・設問1【解説】

理学療法士・作業療法士の仕事は、単なる動作の反復訓練ではない。患者の身体機能、生活環境、意欲、痛み、不安、家族関係を見ながら、目標を調整する仕事である。AIやロボットは補助できても、相手の生活の意味を汲み取る判断は代替しにくい。

問題1・設問1【解答プロセス】

  • STEP1 要件確認: 設問は、AI・ロボットによる代替可能性が低い理由を400〜600字で述べることを求めている。
  • STEP2 問題設定: リハビリ職は、身体機能だけでなく生活全体を扱うため、標準化しにくい。
  • STEP3 論証: 患者の反応、意欲、環境、家族との関係に応じて支援を変える必要がある。
  • STEP4 解決策: AIは補助には有効だが、専門職の対人的判断は代替しにくい。
  • STEP5 吟味: ただし、専門職もAIを使いこなす力を身につける必要がある。

問題1・設問1【解答】

理学療法士および作業療法士がAIやロボット等による代替可能性の低い職業に選ばれた理由は、仕事の中心が単なる運動の指示や作業手順の提示ではなく、一人ひとりの生活を見ながら支援を組み立てる点にある。

リハビリテーションでは、同じ病名や障害名でも、痛みの程度、体力、意欲、家族の支援、住環境、仕事や趣味は異なる。したがって、専門職は患者の表情や反応を観察し、今日は訓練を進めるべきか、休ませるべきか、どの動作を生活目標に結びつけるかを判断する必要がある。

AIやロボットは、歩行データの分析、訓練量の記録、反復動作の補助には役立つ。しかし、患者が「何のために歩きたいのか」「どの生活を取り戻したいのか」を聞き取り、本人の希望と現実の間で目標を調整することは、人間的な対話を必要とする。

だから代替可能性が低いのである。ただし、専門職が機械を拒むだけでは不十分である。AIを道具として使い、空いた時間を観察、説明、心理的支援に向けることで、より質の高いリハビリを提供できる。

字数カウント: 505字

問題2・設問1【設問文】

設問1 「病」と「老い」の類似点と相違点をまとめ、下線部「老いとはいかなるものかを味わう僥倖」について、あなたの考えを400字以上600字以内(句読点を含む)で述べなさい。

問題2・設問1【解説】

課題文は、病と老いの共通点を、身体に避けがたく関わり、本人の生活を変える点に見る。一方で、病は回復や快気を目指せる相対的状況であるのに対し、老いは誰にも訪れ、年齢の重なりを否定できない絶対的状態であると述べる。

問題2・設問1【解答プロセス】

  • STEP1 要件確認: 設問は、病と老いの類似点・相違点を整理し、下線部への考えを400〜600字で述べることを求めている。
  • STEP2 問題設定: 老いを単なる衰えや問題としてだけ見ると、老いを生きる意味を見失う。
  • STEP3 論証: 病は乗り越える対象になりやすいが、老いは生の時間の重なりとして引き受ける必要がある。
  • STEP4 解決策: 老いを味わう僥倖とは、衰えを含めて自分の時間を理解する機会である。
  • STEP5 吟味: ただし、老いを美化せず、支援と尊厳の保障が必要である。

問題2・設問1【解答】

病と老いの類似点は、どちらも身体に変化をもたらし、本人の生活や周囲との関係を変える点にある。病気になれば、できていたことができなくなり、他者の助けを必要とすることがある。老いもまた、体力や記憶、感覚の衰えを通じて、生活の仕方を変えさせる。

しかし相違点も大きい。病は、治療によって回復したり、少なくとも病気になる前の状態を目標にしたりできる。これに対して老いは、誰にでも時間とともに訪れ、完全に取り除くことはできない。課題文がいうように、病が相対的な状況であるなら、老いは絶対的な状態である。

私は「老いとはいかなるものかを味わう僥倖」とは、老いを単なる損失ではなく、自分が生きてきた時間を受け止める機会として捉えることだと考える。老いによって初めて、他者に頼ること、ゆっくり生活すること、過去を振り返ることの意味が見えてくる。

もちろん、老いを美化して介護や医療の必要を軽視してはならない。支援を受けながらも、本人が老いを自分の経験として語れることが大切である。

字数カウント: 497字

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