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大阪府立大学 地域保健学域教育福祉学類 前期日程 2021年度 小論文過去問解説(保育の福祉性と健康格差)

大阪府立大学 地域保健学域教育福祉学類 前期日程 2021年度 小論文過去問解説(保育の福祉性と健康格差)

問題I 問1【設問文】

問1 下線部(1)「保育が民間に委ねられれば、それは産業化する」とあるが、保育の産業化によるメリットとデメリットを200字以内で述べなさい。

問題I 問1【解説】

課題文は、保育が福祉を基礎にした制度であり、単なるサービス産業ではないと述べる。産業化には、供給拡大や多様なサービスという利点がある一方、利益や効率が優先されると、子どもの最善の利益や保育の質が損なわれる危険がある。

問題I 問1【解答プロセス】

  • STEP1 要件確認: 産業化のメリットとデメリットを200字以内で述べる。
  • STEP2 方針: 民間活用を全否定せず、福祉性の喪失を問題にする。
  • STEP3 構成: メリット、デメリット、留意点の順にまとめる。
  • STEP4 吟味: 保育を単なる消費サービスにしない。

問題I 問1【解答】

メリットは、民間の参入により保育施設やサービスの種類が増え、保護者の働き方や地域の実情に応じた柔軟な運営が期待できる点である。デメリットは、利益や効率が優先されると、人件費削減や詰め込みにつながり、子どもの安全、発達、保護者支援という福祉の目的が後回しになる点である。

字数カウント: 134字

問題I 問2【設問文】

問2 下線部(2)「すべて国民は、個人として尊重される」とあるが、人が育つ環境において個人として尊重されていない状況について、具体例を1つ挙げ、そう考える理由を簡潔に述べなさい。

問題I 問2【解説】

人が育つ環境で個人として尊重されていない例を挙げる問題である。ここでは、子どもの意見や発達段階を無視し、大人の都合だけで保育・教育が進む状況を例にする。

問題I 問2【解答プロセス】

  • STEP1 要件確認: 具体例1つと理由を簡潔に述べる。
  • STEP2 方針: 子どもを管理対象として扱う例を選ぶ。
  • STEP3 構成: 例、理由の順に書く。
  • STEP4 吟味: 抽象論だけにしない。

問題I 問2【解答】

例えば、保育所で子どもが遊びや食事について自分の気持ちを表す機会を与えられず、大人の都合で一律に行動させられる状況である。子どもの年齢や発達に応じた意見が尊重されず、効率よく管理する対象として扱われているため、個人として尊重されているとは言えない。

字数カウント: 125字

問題I 問3【設問文】

問3 下線部(3)「子どもの最善の利益を考える」ときに、保育士は親と子に対してどのようにかかわるべきだと考えるか、本文に挙げられた具体例から筆者の意見を整理したうえで、あなたの考えを400字以内で述べなさい。

問題I 問3【解説】

本文では、休みの日でも子どもを預ける親を責めず、親の余裕のなさや意思表示を読み取り、子どもを保育士が「来てほしい」と受け止めることが重要だとされる。

問題I 問3【解答プロセス】

  • STEP1 問題提起: 設問の要件に合わせ、保育士が親子にどうかかわるべきかを示す。
  • STEP2 原因分析: 親の行動の背後に孤立や疲弊がある場合を説明する。
  • STEP3 自分の立場: 親を責めず、親子双方を支えるべきだと明確にする。
  • STEP4 具体策: 本文の肌着や休暇日の登園の例を使い、聞き取りと受け止めを述べる。
  • STEP5 吟味: 親の余裕を回復させることが子どもの最善の利益になるとまとめる。

問題I 問3【解答】

筆者は、保育士が親を責めるのではなく、親子を守る立場でかかわるべきだと考えている。例えば、子どもの肌着を持ってこない母親に対しても、だらしないと決めつけず、母親がどう考えているのかを聞き、肌着の役割を説明しようとしている。また、親が休みの日に子どもを預ける場合も、親の身勝手と見るのではなく、親が限界を示している可能性を読み取るべきだとされる。

私も、保育士は子どもだけでなく親の余裕を回復させる存在であるべきだと考える。親が安心して休み、相談できれば、子どもをかわいいと思う力を取り戻せることがある。子どもの最善の利益とは、親を排除して子どもだけを守ることではなく、親子が壊れないように関係全体を支えることだ。

字数カウント: 310字

問題II 問1【設問文】

問1 下線部(1)「社会経済的状況と健康状態が強く関係している」ということについて、図1・図2と本文にそって175字以内で説明しなさい。

問題II 問1【解説】

本文は、学歴、所得、職業などの社会経済的状況が健康に影響することを述べる。図1は教育レベルが低いほど慢性疾患による死亡が多い傾向を、図2は所得が低い段階では所得増加が寿命延長に大きく効くことを示す。

問題II 問1【解答プロセス】

  • STEP1 要件確認: 図1・図2と本文に沿い175字以内で説明する。
  • STEP2 方針: 教育・所得と死亡率・寿命の関係を入れる。
  • STEP3 構成: 図1、図2、本文の結論。
  • STEP4 吟味: 図の読み取りを入れる。

問題II 問1【解答】

図1は、教育年数が短い層ほど慢性疾患による死亡者数が多い傾向を示す。図2は、所得が低い段階では少しの所得増加でも寿命が大きく延びる可能性を示す。本文のように、住環境、食事、医療へのアクセスが社会経済的状況で左右されるため、健康状態にも格差が生じる。

字数カウント: 125字

問題II 問2【設問文】

問2 下線部(2)「ソーシャルキャピタル(社会関係資本)」とは何か、またその影響について、本文にそって150字以内で説明しなさい。

問題II 問2【解説】

ソーシャルキャピタルとは、人とのつながりや信頼、協調的行動によって得られる地域全体の資源である。健康によい影響もあるが、つながりが負担になる場合は逆効果もある。

問題II 問2【解答プロセス】

  • STEP1 要件確認: 定義と影響を150字以内で説明する。
  • STEP2 方針: つながり・信頼・協調性と健康への影響を入れる。
  • STEP3 構成: 定義、プラス面、マイナス面。
  • STEP4 吟味: よい面だけにしない。

問題II 問2【解答】

ソーシャルキャピタルとは、地域や人とのつながり、信頼感、助け合いによって生まれる社会的な資源である。交流や支援があると健康によい影響を与えるが、人間関係が負担や責任の重さになる場合には、逆に健康に悪影響を及ぼすこともある。

字数カウント: 114字

問題II 問3【設問文】

問3 ソーシャルキャピタルが社会経済的状況や健康状態の格差に及ぼす効果について、あなたの関心に引きつけて具体例を挙げて350字以内で説明しなさい。

問題II 問3【解説】

ソーシャルキャピタルは、貧困や災害など不利な状況にある人の安全や健康を守る可能性がある。具体例を挙げ、健康格差の緩和に結びつける。

問題II 問3【解答プロセス】

  • STEP1 問題提起: 設問の要件に合わせ、ソーシャルキャピタルが格差に及ぼす効果を示す。
  • STEP2 原因分析: 孤立すると情報、支援、受診機会を失いやすいと説明する。
  • STEP3 自分の立場: つながりは健康格差を緩和しうると述べる。
  • STEP4 具体策: 高齢者サロンや見守り活動を例に、受診や食事支援へつなぐ効果を書く。
  • STEP5 吟味: つながりは医療や所得保障を補う健康資源だとまとめる。

問題II 問3【解答】

ソーシャルキャピタルは、社会経済的に不利な人の健康格差を緩和する効果をもつ。例えば、低所得の高齢者が一人暮らしをしている場合、病気の兆候に気づかれず、受診や食事の支援にもつながりにくい。しかし地域のサロンや見守り活動があれば、体調の変化を周囲が早く把握し、食事、運動、相談、受診につなげられる。これは所得そのものをすぐ増やすわけではないが、孤立による健康悪化を防ぐ。したがって人とのつながりは、医療や所得保障を補う重要な健康資源である。

字数カウント: 221字

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