早稲田大学 スポーツ科学部 AO入試 志望理由書 提出例(奥野景介研究室向け)

  • 議論の整理

スポーツ方法学の研究が競泳指導にもたらした貢献は大きい。Counsilmanらは泳者の手部フォームの分析からS字を描くような手の掻きが泳者に推進力をもたらすことを発見したが、この知見はクロールの泳法指導に現在でも活用されている。また、競泳レースの分析においても、高い泳速度を維持するうえで必要な動作や技術を定量的に評価するために、ストローク長やストローク頻度などの指標が利用されている。このような取り組みは日本の水泳競技力向上の為に重要であり、特に日本の弱点ともいえる自由形種目の強化のためには、クロール泳に関する分析に注力すべきである。

  • 問題発見

奥野教授らは一流泳者を対象に、競技レース中における泳速度とストローク長とストローク頻度の相関分析を行ったが、その結果両者には相関関係が見られなかったことが分かった。この結果から高い競技力を有する泳者にあっては、技量を決定づける未知の要因が存在し、それは個々人の泳タイプに依存するということが示唆される。ではいったい、その要因とは何なのだろうか。

  • 論証

この疑問を解決するにあたっては、まず泳タイプを統計的手法に基づいて分類することが必要である。分類には、レースをスタート局面、ターン局面、フィニッシュ局面、ストローク局面の4つに分けるという日本水泳連盟医・科学委員会のレース分析法が有用であると考えられる。従って、各局面についてその泳速度とストロークの関係を分析したい。分析の対象は、上述の理由からクロール泳に絞りたい。

  • 結論

この研究は一流選手の泳記録向上の一助となるだけでなく、経験知に留まっているプロの技術を形式知へと昇華するという意味で、一般的な水泳指導にも役立つものである。

  • 結論の吟味

上記の研究を行い、さらに学術的な側面以外の指導者として必要な姿勢を培うにあたって、水泳指導に関するスポーツ方法学の分野において日本を代表する研究者であり指導者でもある奥野教授のもとで学ぶことを強く希望する。

参考文献

生田泰志, 奥野景介, 松井健「泳速度のコントロールとストローク頻度の関係–100mおよび200m自由形のレース分析結果より」『スポーツ方法学研究』12(1), 1-8

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