- 議論の整理・・・
イギリスの経済学者デヴィッド・リカードによると、国家同士は貿易を行うべきであるという。国際経済学において有名なこの主張は、リカード・モデルと呼ばれており、国家同士でなぜ貿易が起こるかを説明したものである。そして、絶対的な優位性ではなく、相対的な優位性があれば、国家は財を輸出することができることを示したものでもある。
- 問題発見・・・
では、国際貿易に関する研究において、リカード・モデルはどのような影響力を持っているのだろうか。また、どのような批判を受けており、どのような反論が試みられているのだろうか。
- 論証・・・
私は、これらの問いに答えるには、国際経済学の前提や基礎知識に関する正確かつ緻密な理解を前提として、様々な資料や研究例を参照することが重要だと考える。例えば、早稲田大学政治経済学術院で「国際貿易論」や「国際政治経済研究(一般均衡国際貿易モデル)」などを担当する内藤巧教授は、経済学の中で最もよく知られる理論の1つであるリカード・モデルあるいは比較優位理論について、近年の展開を把握するために、Eaton-Kortumモデルと、それが基づいているDFSモデルの基本構造を丁寧に解説し、比較静学を行っている[1]。
- 結論・・・
そこで、リカード・モデルの動学的展開、「貿易のための援助」と経済成長の理論的研究、内生成長を伴う2国2財トランスファー・モデルなどの研究を行い、国際経済学や経済政策の専門家として名高い貴学政治経済学部の内藤巧教授に師事し、上述の問題点を整理するために、国際経済学の観点からリカード・モデルなどについての再検討を行いたいと考えている。
貴学政治経済学部の内藤巧研究会が上述の研究を進めるのに最適な研究環境との確信のもと、貴学政治経済学部に入学し内藤巧研究会に入会することを強く希望する。
[1] 内藤巧「リカード・モデルの展開」同志社商学66巻1号(2014年)90-106頁。
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