早稲田大学 法学部 AO入試 志望理由書 提出例(渡辺徹也研究会向け)

  • 議論の整理・・・

経済のグローバル化に伴う産業構造の変化などに対応するために、合併などの組織再編成は、企業経営においてより重要なものとなった。こうした変化に伴い、企業が組織再編成をより円滑に行えるように法制度も対応してきた。

会社法では、第5編に組織再編成に関する規定がある。適格組織再編成とは、税務上の適格要件を満たす会社分割・合併・現物出資・事後設立のことをいう。また、税法上の適格組織再編の概念は会社法に依拠しているが、税法が私法に依拠することは論理必然的ではないとされる。

  • 問題発見・・・

では、新会社法の制定によって会社法と税法の乖離が進んだとされる中、売買と適格組織再編成の違いは何であろうか。さらに、そのためにはどんな適格要件がよいのであろうか。

  • 論証・・・

私は、これらの問いに答えるには、税法に関する正確かつ緻密な歴史的発展過程の理解を前提として、制定された規定がその立法趣旨を具体化するために適切かどうかについて検討することが重要だと考える。例えば、アメリカで「事実上の合併」と呼ばれるC型組織再編を参照しながら検討を行い、アメリカ法は、私法に依拠しない税法独自の適格要件を設定することで、取得的組織再編成の適格範囲を私法に依拠したA型組織再編成から拡大した一方で、一定の租税回避行為への対処も行われたことなどを示した研究がある[1]

  • 結論・・・

そこで、消費課税におけるヒューマン・キャピタルと資本概念の応用、現代行政の多様な展開と行政訴訟制度改革、税法における配当の概念などを専門に研究し、租税法の専門家として名高い貴学法学部の渡辺徹也教授に師事し、上述の問題点を整理するべく税法と会社法などの私法の関係について研究を深めたいと考えている。

貴学法学部の渡辺徹也研究会が上述の研究を進めるのに最適な研究環境との確信のもと、貴学法学部に入学し渡辺徹也研究会に入会することを強く希望する。

[1] 渡辺徹也「税法における適格合併の概念:アメリカ法におけるC型組織再編成と会社法に依拠しない適格要件の必要性」フィナンシャル・レヴュー2006巻5号(2006年)33-62頁。

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