早稲田大学 人間科学部 AO入試 志望理由書 提出例(三嶋博之研究室向け)

  • 議論の整理

ギブソンが提唱したアフォーダンスという概念は現在の生態心理学の根幹を為す重要な概念であり、人間が生きていくうえで環境とどのように相互作用しているのかを解明する決定的な視点となりうる。従って、この概念は現代哲学の身体論との接続といった基礎的な分野への展開や、建築工学や都市工学などの環境をデザインする技術への応用など分野横断的な可能性を内包している。一方で、人間がアフォーダンスを知覚する仕組みについては未だに分からないことが多く、さらなる研究が待たれている。

  • 問題発見

当該テーマにおいて三嶋教授らは間隙アフォーダンスの知覚が何によって影響されているのかを分析している。つまり、人が物体の間を通り抜けられると判断する基準は何によって決まるのかをπ値を用いて定量的に検討しているのだが、その結果わかったことは、人と人との間を通る際の間隙アフォーダンス知覚にはパーソナルスペースが大きな影響を与えるということである。それでは、逆にこの実験系を用いてパーソナルスペースの広がりを可視化できないだろうか。

  • 論証

上述の研究では、パーソナルスペースと重なった部分においては通過可能であると判断される間隙幅も広がるという結果が提示されていた。従って、通常の物体の間を通り抜ける際の間隙幅と人間の間を通り抜ける際の間隙幅の差がパーソナルスペースを表していると考えることが出来る。上記研究では検討されていなかった性別や年齢による差の検討を行うとともに、この方法によって新たなパーソナルスペースの可視化に挑戦したいと考えている。

  • 結論

本研究はアフォーダンス知覚についての新しい知見を提供するものであるとともに、パーソナルスペースの定義を再検討する際に有用な研究例となると期待できる。

  • 結論の吟味

上記研究を行うにあたって、これまで認知科学分野の第一線で研究し、数多くの論文を執筆してきた三嶋教授のもとで学ぶことを強く希望する。

参考文献

友野貴之、古山宣洋、三嶋博之 (2017). 「人はいかにして人と人の間を通り抜けられると判断するのか?─間隙アフォーダンス知覚の新たな展開」『認知科学』 24(3), 435-449

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