- 議論の整理
スマートフォンの普及に伴い、タッチパネルによる端末操作が生活に浸透してきた。タッチパネルは画面上に表示されるGUIに直接触れることによって直感的な操作を可能にするという点で、年代や国を問わずあらゆる人間が複雑な端末操作を手軽に行えるという利点がある。このようなヒューマンインターフェースは情報格差をなくす上で不可欠な存在であり、そのアクセシビリティを高める設計を検討していくことには意義がある。
- 問題発見
人間工学に基づいたタッチパネルのデザインについての先行研究において、藤本教授らはヒトが指先で直接ポインティングする際の特性に関する基礎的な知見を蓄積し、これを反映させたGUI設計について検討を行っている。例えば、最適なタッチ感知領域の設計には従来の正方形による設計手法よりも楕円による設計の方がミスタップを防ぎやすい場合があることを示している。このように、ポインティング特性を反映したGUI設計において他に検討すべき要素はないだろうか。
- 論証
ここではテキストリンクをポインティングする場合について考えたい。先行研究においては、タッチパネルを片手拇指で操作する場合に最適な文字高さと文字高さに対する行間の比率を検討しているが、片手拇指で操作する場合では当然画面上のタッチのしやすい位置には偏りが生じる。そこで、本研究ではテキストリンクが画面のどの位置に配置されるかによってポインティング精度にどのような影響を及ぼすのかについて検討を行いたいと考えている。
- 結論
本研究は、我々にとって身近な存在となったタッチパネル型携帯端末のアクセシビリティ向上に寄与する知見を与えるものであると期待している。
- 結論の吟味
上記研究を行うにあたって、これまで人間工学分野において主に触覚とインターフェースとの関係をテーマに数多くの研究を行ってきた藤本教授のもとで学ぶことを強く希望する。
参考文献
西村崇宏、土井幸輝、藤本浩志 (2014)「タッチパネル携帯端末の操作方法がポインティング特性に及ばす影響」『バイオメカニズム』 22. 119-128
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