早稲田大学 人間科学部 AO入試 志望理由書 提出例(加藤麻樹研究室向け)

  • 議論の整理

生活人間工学は人間の生活に根付いた道具や機械をより安全かつ便利に設計する為の学問である。現代社会において最も身近にある機械と言えばスマートフォンが挙げられるが、歩行中のスマートフォン操作、いわゆる「歩きスマホ」が事故リスクを上昇させる危険性を孕んでいる。従って、「歩きスマホ」が外部刺激に対する反応時間や歩行動作に与える影響を理解し、これをスマートフォン設計に取り入れることには意義がある。

  • 問題発見

「歩きスマホ」に関する研究例は少ないながら存在しており、増田らは携帯電話への文字入力動作によって歩行距離が短く、歩幅が小さくなったという結果を報告している。さらにこの論文によれば、フィーチャーフォン使用時と比較してスマートフォン使用時の方が歩行ルートからの逸脱回数が増加したという。この結果はスマートフォンに特徴的な構造が歩行動作に有意に影響を与えていることを示唆しているが、それではその特徴とは何だろうか。

  • 論証

原著論文ではボタンの手触りの有無が影響するという仮説を立てて検証を行っていたが、それを支持する結果は得られなかった。そもそも、文字入力動作による歩行距離と歩幅の減少は危険回避の為に行う無意識的反応の表れと見ることが出来ると考えれば、視覚情報の欠如という要因が大きく関わってくると考えられる。従って、スマートフォンの大きな画面こそが影響するのではないかと推察される為、画面サイズと歩行動作の関係について検討を試みたい。

  • 結論

本研究は、「歩きスマホ」による事故件数の増加対策に有効な知見を与え、より安全なスマートフォン設計に貢献するものであると期待している。

  • 結論の吟味

上記研究を行うにあたって、これまで生活人間工学の分野において歩行者安全や高齢者の一人暮らしなどの多岐にわたるテーマに取り組んできた加藤教授のもとで学ぶことを強く希望する。

参考文献

増田康祐、芳賀繁 (2015). 「携帯電話への文字入力が注意,歩行,メンタルワークロードに及ぼす影響-室内実験によるスマートフォンとフィーチャーフォンの比較-」『人間工学』 51(1), 52-61

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