■議論の整理
東京都は、東京オリンピックに向けて「自立の意思を持つ全てのホームレスが地域生活へ移行」することを目指してきた。自立支援センターの存在を告知するなど支援につなげる活動が行われているが、同時に、ホームレスが多く集まる公園や高架下に居座らないようコーンを置いたり張り紙をしたりと、居場所を奪ってもきた。民間でも無料定額宿泊所などの支援策があるが、金銭的にも運営が難しく、十分な支援ができているとは言い難い。
■問題発見
支援が行き届きにくい人には、路上生活をしているわけではないが定住先を持たない人もいる。ネットカフェやトランクルームで生活する人は、家を借りる金銭的な能力はないが支援が必要な人たちである。なかには、路上生活での危険を避けるためにその場を選んでいる若年女性も存在する。住まいという自立のために必要な居場所を持たない人に対し、社会はどのように手を差し伸べていけば良いのか。
■論証
住所がないと郵便物を受け取れなくなる可能性が高い。そうなると、行政書類などの重要書類を手にすることもできなくなる。仕事を探そうにも住所がないということが雇用の妨げになることも多い。そもそも、住所が不定で各地を転々としていることで健康に支障をきたすケースも考えられる。病院にかかろうと思っても保険証がなくてかかれないなど、住まいが無いことの弊害は大きい。
■結論
住まいは簡単に与えられるものではない。無償提供は難しく、安価に提供するにも限度がある。集団生活を前提として安価にしたとしても、人間関係がうまくいかずに支援を自ら離れていくケースも考えられる。どのようにして、住まいを失った社会的弱者を支援していくべきか、考えていきたい。
■結論の吟味
以上の理由から、貴学教育学部教育学科生涯教育学専修に入学し、小林敦子教授の研究会で学ぶことを強く希望する。
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