早稲田大学 文化構想学部 AO入試 志望理由書 提出例(村井 翔研究会向け)

議論の整理・・・

フロイトが直接精神分析を行った患者の中で、「狼男」は特に有名な例である。ロシアの貴族である患者の本名はセルゲイ・パンケイエフ。彼は4歳ごろに狼を中心とした動物に対して恐怖症を示し、強迫症状を発症するようになる。8歳以降に症状がおさまるが、18歳になってから再発し、1人では生活できない状態となってしまった。狼男という呼び名は、彼が4歳の頃に見た夢の内容に由来している。それは大きなクルミの木の上に白い狼が何匹もいて、こちらを見張っているという夢である。フロイトはこの夢が狼男の幼児性神経症の原因を孕む原光景の手がかりであるとして夢分析を行い、彼について論文を執筆した。フロイトの夢分析については必ずしも実際に起こったことを説明しているとは限らないが、重要なことは、筋道立てて説明できる状態にない神経症の患者が、病の原因として適当と考えられる一貫したストーリーを得ることで、症状を消し去ることができるステップを踏むことができる。夢分析によって原光景を分析することは治療の一環であり、だからこそ、患者の物語は必ずしも真実である必要はないのだということを、フロイトは主張している。

問題発見・・・

フロイトと狼男の関係は、フロイトが死ぬまで続いた。その理由として、彼らの幼少期の状況が似通っていたため、ドッペルゲンガーのような愛着を持っていたということが挙げられている。彼らの関係性について研究を進めてみたい。

論証・・・

幼少期を共にしたり、姿形が同様のドッペルゲンガーということであれば一卵性双生児が真っ先に挙げられるが、フロイトと狼男の関係性はそれとは異なっていたようである。

結論・・・

貴学文化構想学部にてに精神分析に精通した村井 翔教授のもとで上述の研究を進めることを希望する。

村井 翔「フロイトと狼男」 , 早稲田大学大学院文学研究科紀要. 第2分冊,56,149-162 (2011-02-26) , Freud und der Wolfsmann (1) 

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