早稲田大学 文学部 AO入試 志望理由書 提出例(飯山知保ゼミ向け)

■議論の整理

中国の歴史は広大だ。面積は広大であることももちろんだが、国の多様さ、複雑な力関係、王朝の過激な交代劇など、中国という一つの単位で論じることが難しいほど、その歴史の全容を考えるのは容易なことではない。

 

■問題発見

中国の近代化がいつから始まったか、それは自明のことではない。従来であれば、中華人民共和国が出来たことが中国の近代化の幕開けだと考えることができるが、一方でその近代化の引き金をひいたのはどこか、Early Modernがどこから起こっているかを考えることが非常に重要になってくるだろう。

 

■論証

「宋―元―明移行論」は1990年代から中国歴史学の中で流行している研究対象である。封建的で、王族主導の政治からどのように今の中国が近代になっていったかを示唆してくれるかもしれない重要な研究領域だ※1。

 

■結論

というのも、元になって、中国はいちどモンゴルの支配下に置かれることになるからである。今まで華北地帯は中国の領域だが、そこからモンゴルの支配がはじまる。そのとき今的は異なる官位システムが導入されることになり、従来の科挙などもうまく機能することがなかった。ここで、官位を与えられ、中国人が重要な職に就くことができるためには、今までの儒教的な制度の中での師弟関係ではなく、ある意味で重要な資本家とのパイプを持つことができるかどうかという政治力であり、ここにある種の近代が始まったとみることもできなくはない。

 

■結論の吟味

中国の歴史は一筋縄ではいかない。群雄割拠の時代から一つの統一された時代への影響関係を物語るのでさえ容易ではないのに、そこからどのように近代が発生したかどうかを理解するのはより困難な作業だ。しかしこれらの関係を解明することこそが、中国の今のシステムを理解する唯一の方法であり、モンゴル帝国の支配と言う要因は欠かすことができないものになるだろう。以上のような観点で中国史を研究してみたいと考え、貴学への入学を希望する。

 

※1飯山知保「モンゴル・「中国」の接壌地帯としての12-14世紀華北――モンゴル帝国の統治と華北社会の変容――」『北東アジア研究』別冊3 島根県立大学北東アジア地域研究センター 2017

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