早稲田大学 スポーツ科学部 自己推薦 2016 解答例

設問 

文を読み、武道・スポーツにおける自我感情表出パフォーマンス(「ガッツポーズ」「ハッスルポーズ」等)について、あなたが考えるところを601字以上800字以内で論じなさい。

5STEPsでまとめる。

(1) 議論の整理→「勝利時のパフォーマンス」はあらゆる競技において自粛すべきものとされる

『ガッツポーズ』や『ハッスルポーズ』は競技で勝利を収めた選手の感情表現である。競技によって制約の厳しさは異なるとはいえ、この「勝利時のパフォーマンス」は、あらゆる競技で自粛するべきものとみなされている。

(2) 問題発見→「勝利時のパフォーマンス」が反感を買うのはなぜか

なぜこの「勝利時のパフォーマンス」は良いものとされないのだろうか。

(3) 論証→「勝利時のパフォーマンス」は、敗者への尊敬の念に欠ける行為である(ぱっと思いつく原因から疑問を掘り下げる)

文中において一番「勝利時のパフォーマンス」についての制約が厳しいとされているのは剣道である。剣道は礼を尊ぶものであるため、自身の感情を吐露する行為は礼を欠く行為とされるのだろう。ではこの「礼」とは何だろうか。例えば、自分と同じく鍛錬を積んできた対戦相手への「尊敬と感謝の意」と解釈できるだろう。ここで、剣道だけでなく他の競技について考えを広げてみる。例えルールとして明文化されていないとしても、この対戦相手への「尊敬と感謝の意」は、いかなる競技を行う上でも大切にされるべき精神と考えられる。そんな中で、「勝利時のパフォーマンス」はどう解釈されるだろうか。「自身の勝利」は「相手の敗北」を意味する。相手への尊敬や感謝を忘れ去った行為であると判断されても、けして不思議ではない。

(4) 解決策or結論→勝利時の派手な感情表現は、アスリート精神に反する

つまり「勝利時のパフォーマンス」を行うことは、自分の勝利にしか意識が行き届いていないと解釈されかねない行為であり、だからこそ歓迎されないのだと私は考える。競技は、勝ち負けを決めるためだけに存在するわけではない。ルールに則って各々の鍛錬の成果を競いあった結果として勝ち負けが決まるのである。アスリートはそのことを忘れず、常に相手や競技への感謝の気持ちを持ち続けることを期待されているのである。

(5) 解決策or結論の吟味→「勝利時のパフォーマンス」を全面的に禁止するという意見を吟味

では全ての競技において「勝利時のパフォーマンス」を禁止したらよいのだろうか。私はそうは思わない。「尊敬と感謝の意」というのはルールに強要されて持つものではないからである。だからこそ、多くの競技ではアスリート個人の判断に委ねられている現状があるのだろう。(792)

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