早稲田 政治経済学部 グローバル入試 解答例 2017

設問 

文章を読んで、以下の問に答えなさい。

問1 

なぜ、平均値ではなく中央値で見ることが望ましいのか。筆者の考えを150字以内で述べなさい。

5STEPsの議論の整理でまとめる。

現在の政治において、増える一方の高齢者の既得権を守ろうとする「シルバー民主主義」が大きな影響力をもっている。これは低所得の高齢者層の救済を名目としながら、実質的には中流以上の高齢者の所得を増やすものである。結果、高齢者層はもっとも所得格差の大きな年齢層となっており、平均だけを見るのは妥当ではない。(149)

問2 

高齢者世帯の所得分布が相対度数で表されている表について、
A 各階級の累積相対度数を記入しなさい。(割愛)
B 累積度数多角形を描きなさい。(割愛)

問3 

下線部2における高齢者の資産保有パターンが、なぜシルバー民主主義を助長するのか。筆者の考えを150字以内で述べなさい。

5STEPsの議論の整理でまとめる。

「シルバー民主主義」は、低所得高齢者の救済を名目としたものである。潤沢な資産価値のある住宅を有しながら所得が少ない場合、欧米のように住替えを行い、差額を金融資産として切り崩すことにより自力で生活水準の向上ができる。しかし日本ではその考えが浸透しておらず、単純な低所得高齢者とみなされるから。(145)

問4 

筆者は「高齢者が一律に貧しい」という考え方は、「高齢者は一律に豊か」という認識と同様に誤っていると述べている。理由を150字以内で説明しなさい。

5STEPsの議論の整理でまとめる。

日本の雇用慣行やそれに伴う公的年金制度は、高齢者層が相対的に希少であった時代に確立されたものであるが、これらは高所得者に多くの収入が約束される制度であり、現在の高齢化社会の所得格差を促進する方向にはたらいている。そのため高齢者層の所得・資産格差は全年齢層の中で最も大きく、所得が一律とは言えない。(148)

問5 

「シルバー民主主義」の特徴を踏まえて、「シルバー民主主義」に対するあなたの考えを500字以内で述べなさい。

5STEPsでまとめる。

議論の整理→「シルバー民主主義」の特徴

「シルバー民主主義」とは、従来の社会制度や慣行が高齢化社会に対応しないにもかかわらず、既得権を剥奪されたくない高齢者層が改革を妨げる動きである。しかし、社会に対応して制度は改革していくべきであると私は思う。現にそれがなされていないがために、現在に置いて高齢者の所得格差は拡大し、勤労者層の負担が大きくなるといった特徴がみられると筆者は述べている。

問題発見→制度改革のためになにができるか

では、制度を改革してゆくにはどのようにすればよいのだろうか。

議論→若年層の意見を増やす必要がある

「シルバー民主主義」が大きな影響を持つのは、まず高齢者の人口比率が高いからである。筆者は文中で、政治家が目先の選挙に勝つため、高齢者層の意見を優先すると述べている。ならばまず思いつくこととして、高齢者層の人口比率を下げる努力をすればよいと考えられる。加えて、政治に興味をもつ若年層を増やすことも重要である。こうして若年層の意見が増し、政治家が無視できなくなれば、高齢者ばかりに有利になるような政策はなされにくくなるだろう。

解決策or結論→「シルバー民主主義」は改められるべき

ごく一部の人だけが得をする「シルバー民主主義」は悪しき風潮である。

解決策or結論の吟味→若年層の存在感を高めることが重要

筆者の言う「同一世代内の所得移転」を実現するため、政治における若年層の存在感を高めることが重要である。(498)

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