上智大学 神学部神学科 AO入試 月本昭男ゼミ向け

  • 議論の整理

死は誰にとっても避けられないものである以上、確固たる死生観を持つことは自らの生と誠実に向き合う上で必要である。個の意識が芽生えた現代人にとっては自身に合わせた死生観を各々が確立することが重要で、その為に歴史を遡って考えることは大いに助けになる。実は、現在人類最古と考えられているメソポタミア文明にも確立した死生観が見て取れ、人は死ぬと冥界という現世とは異なる場所で死霊として生き続けると考えられていた。

  • 問題発見

このような死生観の成立は『ギルガメシュ叙事詩』に代表される古代メソポタミア文学から読み解くことができる。月本教授は『ギルガメシュ叙事詩』に4つの異なる死生観が提示されていながら、そのどれもが絶対視されていなかったと論じる。古代の人々もまた死の不可避性を前に統一的見解を持ちえなかったのである。その埋め合わせとして生まれたのが冥界観念である。それでは冥界観念は古代の人々の生き方にどのような影響を及ぼしたのだろうか。

  • 論証

現世に生きる者の死者に対する態度は、現世と冥界を結ぶ儀式としての葬送儀礼に表れるといえる。古代メソポタミアでは冥界における死霊の安らぎの為に副葬品が納められ、さらに定期的な供養が行われている。この儀式を通じて故人と関わりのあった共同体の紐帯が深められるというような社会的機能も想定することができるが、私は死者供養に死への馴化という意味を見出せると考える。悼む存在から悼まれる存在への移行という不断のサイクルの中に自ら組み込まれることで死を一つの摂理として捉えやすくなったのではないだろうか。本論考ではこの点を踏まえて古代メソポタミアの死生観を分析したい。

  • 結論

上記研究を行うにあたって、貴学においてこれまで聖書考古学分野から古代の人々の宗教観、人生観について論じてきた月本教授のもとで学ぶことを強く希望する。

参考文献

月本昭男 (2017) 「聖書に学ぶ─「出エジプト」伝承の史実性とその思想的意義 ─」 『藤女子大学キリスト教文化研究所紀要』

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