2020年 上智大学公募推薦入学 外国語学部・フランス語学科 小論文 解答例

議論の整理(要約)

この文章では、受け入れ国における難民2世をとりまく、多様な課題について論じている。難民2世のなかでは、受け入れ国の教育を通じて、上手く同化できる者もいれば、途中でドロップアウトしてしまう者もいる。そこで、肯定的に受け入れられる場合と、差別的に受け入れられる場合で、教育達成に違いが出てくるという、移民2世の調査に注目した。そこから筆者は、親が持つ人的・経済的資本、エスニック・コミュニティが保有する資本、受け入れ国の制度が、さまざまに難民2世の教育達成に影響を与えると結論づけた。

問題発見

日本では技能実習生や留学生など、外国人の受入れを増やしているが、どのような効果と課題があるのだろうか。

論証

日本では、少子高齢化や若者の肉体労働離れの影響もあり、一部の仕事は就業者が十分に確保できない状態が続いている。そこで、技能実習生の受け入れ人数を増やすことにより、働き手の不足を補おうとしている。このような政策の効果もあり、日本人にとって技能実習生は身近な存在となった。技能実習生がいなければ成り立たない業種も出てきている。

しかしながら、日本の技能実習生制度は、受け入れた実習生の教育達成に、どれだけ影響を与えているのか疑問である。もちろん、日本の最新の技術や技能を伝え、日本あるいは母国で、高い社会的地位を得るに至った人もいる。しかしながら、実習生を単なる労働力と捉え、劣悪な環境で働かせているところもある。そのため、技能実習生が脱走するというニュースが立て続けに報道されることもある。

受け入れ先により教育達成が異なる原因のひとつが賃金の問題である。技能実習生は、基本的に日本よりも生活水準が低い国からの受入れがメインとなる。外貨を稼ぐ感覚で働いている人も多いため、教育達成について意識されていない現状がある。また、受け入れ側が、技能実習制度の本来の意味を理解していないことも原因と言える。実習生を安価な労働力と捉え、彼ら・彼女らの将来のキャリアを考慮していない受け入れ先が多いことも事実である。

結論

日本は、現状、技能実習という教育制度として外国人を受け入れているが、教育達成の度合にばらつきがある。その原因として、実習生の母国と日本の経済格差、日本における一部の業種における労働力不足、技能実習生制度に対する相互の理解不足がある。

吟味

技能実習を通じた高い教育達成を誇る会社や事業所も存在する。教育内容をしっかり精査し、受け入れ先を厳選させていくことで、日本に対する信頼度が高まるのではないだろうか。(1056文字)

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