上智大学 総合グローバル学部 総合グローバル学科 公募制推薦入試 2016年 小論文 解答例

次頁の文章を読み、以下の設問に応えなさい。(計800字)

1)筆者は何が紛争をもたらすと主張しているか、簡潔に説明しなさい。

筆者は、紛争の原因は経済的な要因であると主張している。具体的には、低所得、低成長、経済的な停滞や衰退である。貧困が紛争の原因となっていることに対して、因果関係の逆を主張する意見もあるが、それに対しては経済成長には関係があり、内戦には直接関係のない要因を検討している。たとえば降雨量が少ないと経済はダメージを受けるが、雨が少ないからといって「内戦をしよう」と反乱を企てるものはいない。(191字)

2)具体的な地域・国を例に挙げ、上記の主張が成立する或いはしないことを、その根拠とともに論じなさい。

議論の整理→主張の確認

筆者は経済的な要因が紛争の原因となっていると主張している。

問題発見→主張を裏付ける例は?

では、実際に低所得が紛争の原因となっている国はどこがあるだろうか。

論証→コンゴの所得と紛争の関係

コンゴは、アフリカで3番目に広い国土をもち、銅やダイヤモンド、石油などの天然資源に恵まれた国だが、ベルギーから独立したあとも紛争が続いた。度重なる紛争のため人々の所得は安定せず低迷し、社会インフラは荒廃し、保健医療の体制も機能せず、義務教育での識字率も極めて低い状態となっている。そして現在では、国民の80%が1日1ドル以下の生活をしているといわれている。さらに長く続く紛争のため、多くの子供兵士が参加させられたり、女性や少女がレイプ・虐待を受ける事態も頻発している。

解決策or結論→低所得が紛争の原因となっている

このように極めて混乱した状況下では、普通の暮らしを立て所得を得るということが非常に困難であることが想像できる。厳しい状況下でその日暮らしをせざるを得ない人々にとって、将来への楽観的な見通しを立てることは難しいだろう。そのため、富を暴力で奪う紛争が起きてしまうのではないだろうか。1日1ドル以下の所得であるコンゴで、30年以上にわたって紛争が続いているという現状からも、低所得が紛争の原因となっているとする主張は成立するといえる。

解決策or結論の吟味→結論を吟味する

もし国民全体の所得があがれば、教育や医療に投資をすることもでき、紛争以外の解決手段を具体的に検討することが可能になる。日本をはじめ国際社会が一丸となって、貧困と紛争を根絶する努力をすべきである。(605字)

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