2019年 上智大学外国人入学試験 総合人間科学部・教育学科 小論文 解答例

議論の整理……

科学技術が進歩したことにより、私たちは豊かな生活ができるようになった。また、便利で快適な暮らしも手に入れることができた。その一方、科学技術の進歩により、世界レベルで環境が破壊され、地球そのものが存続していけるのか分からない状態になっている。

問題発見……

そのため私たちが、世代を超えて持続可能な社会を築かない限り、科学技術の進歩が地球を破壊することになりかねない。

論証……

そこで私は、持続可能な社会を構築するために、教育はふたつの役割を果たしうると考えた。

ひとつは、持続可能な社会の構築に貢献する、優れた専門家を育成することである。現在の地球を取り巻く問題は、自然破壊、経済格差、政治的対立など、さまざまな問題が複雑に絡み合っている。幅広い分野で、持続可能な社会の構築に貢献できる専門家を排出しなければ、問題を解決することはできない。そのような人材を育成するためには、小学校、中学校、高等学校、大学と、それぞれの段階で学生の好奇心を刺激することが必要である。その結果、多岐にわたる領域で問題の解決につながる取り組みが積み重ねられるだろう。

もうひとつが、持続可能な社会の実現に向けて、協力的に生活できる市民を育成することである。日本では、レジ袋を有料化することで、資源を守る取り組みが進められている。多くの人が、レジ袋の無料配布の廃止に理解を示して協力した。その結果、レジ袋の配布量が大幅に減らせた。多くの人が地球を取り巻く問題を理解し、レジ袋の無料配布の中止に理解を示したからこそ達成できた。つまりこの結果は、地道に行われてきた教育の成果であると考えられる。

結論……

持続可能な社会の構築に貢献する専門家と市民を育成するにあたり、将来どのような取り組みが進められるのか、予測しながら教育内容を決めていくことが必須である。なぜなら、「すでに」専門家や市民が育成されていないと、取り組みを進めることはできないからだ。

吟味……

そのため、現在の問題だけではなく、科学技術の進歩による未来の問題を予測し、教育のあり方を考えなくてはならないと私は考える。(851文字)

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