2019年 上智大学外国人入学試験 外国語学部・ロシア語学科 小論文 解答例

議論の整理……

英語と日本語を比較したとき、もっとも大きな違いは、誰の考えであるのかを明らかにしているかどうかである。英語の場合、誰かの考えを文章にする場合、「私は~と思う」「彼女は~考えている」など、その内容を誰が思っているのか、考えているのか、明確にする傾向がある。それは、英語を話す国々では、発言する人の責任を重んじる伝統があるためであると、私は推測している。

問題発見……

それに対して日本語の場合、誰が思っているのか、誰が考えたことなのか、はっきり書かない文章が多いように感じる。

論証・結論……

もちろん、日本人や日本語に慣れている人は、主語がはっきりしなくても、誰も考えなのか推測できるのだろう。つまり日本語は、文章の流れから推測する、空気を読むなど、読み手の想像力に任せた文章が多いという特徴がある。そのため外国人が日本語を学ぶとき、上手く推測することができず、読み間違えてしまうことも多い。

また、日本と英語のもうひとつの違いは、相手との関係性を文法に反映させるかどうかである。英語の場合、話している相手が上司なのか部下なのかで、文法が変わることはほとんどない。しかしながら日本語は、尊敬語や謙譲語を上手に使い分けないと、相手を怒らせてしまうことがある。また、男性か女性かで言葉の表現が変わることも、日本語ならではの特徴である。自分のことを言うとき、男性は「わたし」「ぼく」「オレ」、女性は「わたし」「あたし」など、いろいろな表現がある。英語にも細かい違いはあるが、日本語ほど日常的に使われることはないので、すべてを覚えなくても何とかなる。

三つ目の違いは、英語はアルファベットだけであるが、日本語は「ひらがな」「カタカナ」「漢字」があることである。ひらがなのほうがいい、カタカナにするほうがいいなど、使い分けは日本人が想像するよりも難しい。さらに、「橋」「端」「箸」など、同じ発音なのに、異なる漢字があてられることも多い。英語は英語を学ぶだけでいいが、日本語は3つの言語を学ぶようなものであると私は感じている。(838文字)

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