上智大学 法学部 法律学科 外国人入試 2017年 小論文 解答例

■設問

筆者は②において「ニッポン株式会社システム」がもう成り立ち得ないこと、労働現場での職業倫理の崩壊が生じていることを論じている。「ニッポン株式会社システム」の良い点、悪い点は何か、日本は、どのような社会システムを構築すべきなのか、あなたの考えを、800字程度で自由に論じなさい。

■答案構成

議論の整理→ 「ニッポン株式会社システム」の定義

問題発見→ 日本はどのような社会システムを構築すべきなのか

論証→ 「ニッポン株式会社システム」の良い点と悪い点

解決策or結論→ 企業が得た利益を社員に還元するシステム

解決策or結論の吟味→ 経営者の対場では、導入に慎重にならざるをえない

■回答

議論の整理→ 「ニッポン株式会社システム」の定義

「ニッポン株式会社システム」とは、会社に所属し忠誠を尽くしてさえいれば、最後まで面倒をみてくれるという、言うなれば家族的な雇用システムのことである。しかし、近年、「ニッポン株式会社システム」は、過去のものとして卑下されるようになり、崩壊に転じている。日本の会社は、社員のことを、まるで使い捨ての部品のように、利益を産みだすための駒として扱うようになった。

問題発見→ 日本はどのような社会システムを構築すべきなのか

こうした状況を踏まえて、これから、日本はどのような社会システムを構築すべきなのか、ここでは論じようと思う。

論証→ 「ニッポン株式会社システム」の良い点と悪い点

まず、「ニッポン株式会社システム」の良い点で挙げられるのは、社員に対して人情的である点である。組織に忠誠を尽くしていれば、リストラや減給に合うことは滅多にない。福利厚生も手厚く、社員に子どもが生まれた場合は手当が支給されるし、子どもの面倒をみるための長期休暇(育児休暇)の取得にも寛容であった。たいして、「ニッポン株式会社システム」の悪い点としては、利益を挙げる意識につながりにくいことである。年功序列により、勤続年数が上がれば給料も上がっていくシステムだが、このシステムでは、ただ長くいるだけでたいして会社の利益に貢献しないような人物でも、長く勤めていれば、給料が上がっていく。福利厚生も手厚すぎると、簡単に社員が休みを取れるので、生産性の上昇は見込めない。

解決策or結論→ 企業が得た利益を社員に還元するシステム

こうした事情を考慮にいれて考えた私の結論は、会社が得た利益を社員に還元するシステムを構築すべきである。例えば、毎年、会社が挙げた収益の10%を、社員にボーナスとして還元するといった制度が思い当たる。この制度ならば、会社の業績が自分の給料も上がることになるので、会社の利益を向上させるモチベーションにもつながる。頑張れば給料も高くなるので、社員からの不満も起こりにくいだろう。

解決策or結論の吟味→ 経営者の対場では、導入に慎重にならざるをえない

経営者の立場からすると、儲けが少なくなるため、こうした制度の構築は慎重にならざるを得ないと思う。しかし、いい人材を集めるためには、社員の待遇を挙げることが大事である。長期的に見れば、人材に投資した額以上の利益を、会社に生み出すことにつながるだろう。

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