設問
1.日本を含めて、自国以外のいくつかの国を選び、なぜ「政府の責任ではない」すなわち「自己責任」と考える比率が国によって違うのか、あなたの考えを述べなさい。(400字以内)
議論の整理→各国の社会保障に対する自己責任の考え方の違い
日本やアメリカでは高齢者や失業者に対する政策を「自己責任」とする割合が高い一方で、ノルウェーやフィンランド、スウェーデンなどの北欧は「自己責任ではない」とする割合が高い。
問題発見→違いはなぜ生まれるのか?
なぜこのように違いがあるのだろうか。
論証→自己責任論の日米と、全受益者負担の考えの北欧
このグラフからは、日本やアメリカでは、社会福祉を個人や市場原理にゆだね、自己責任論が支配的だとわかる。この考え方は、高度経済成長期のように、経済が発展し続けるという前提のもとではうまく機能するが、現在のような社会状況では機能することが難しいといえる。反対に北欧のような高福祉・高負担の国では、基本的に国民の福祉負担が高い一方で、政府が資源を再分配し、高齢者や失業者に対する政策を積極的に行っている。
解決策or結論→国の方針により自己責任の考えは変化する
つまりその国の政策方針により、社会保障に対する自己責任の考え方は変化する。
解決策or結論の吟味→結論を吟味する
自己責任の追及により経済発展が見込める一方、社会での格差も広がるため、バランスのよい政策を実施する必要があるといえる。(398字)
「高齢者に対する政策は政府の責任ではない」と考える率と「失業者に対する政策は政府の責任ではない」と考える率の両者の率の違いについて説明するとともに、違いの背景・原因と考えられることを述べなさい。(400字以内)
議論の整理→高齢者と失業者に対する社会保障の考え方の整理
高齢者と失業者に対する施策の、自己責任への考え方の率は必ずしもリンクしていない。たとえば日米は、高齢者と失業者の両方に対して、自己責任と考える割合が高い。それに対し南アメリカやフィリピンでは、失業に対して自己責任と考える割合が少ない一方、高齢者に対しては自己責任とする割合が高い。
問題発見→なぜ両者の率に違いがあるのか?
これはなぜだろうか。
論証→高齢化の国とそうでない国の比較
日米では社会における高齢者の割合が高く、彼らに対する施策の負担が大きいことが予想できる。そのため、社会福祉を最低限にする施策を行う日米では、高齢者にも失業者にも、自己責任とする考え方があるのではないか。逆に高齢者人口が高くない南アメリカやフィリピンでは、高齢人口が少ないため社会福祉全体で保証するというよりも、自己責任の考え方が色濃く反映されているといえるのではないだろか。
解決策or結論→社会保障の受益者負担に対する考え方は、国の人口構成によっても変わる
つまり、各国の社会福祉の受益者負担に対する考え方は、その国の人口構成によっても大きな影響を受けるといえる。(390字)
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