設問
次の文章は、社会学調査で調査対象者に聞き取りを行うことに関する著者の考えを述べたものである。これを読んであなたが感じたことを述べなさい。(800字)
議論の整理→本文の整理
筆者は、社会学調査の聞き取りの際に最も重要なことは「相手とまっすぐに向き合おうとする」ことだと述べている。これは相手が生きてきた経験に思いを馳せ、相手の言葉の背景にある物語も想像しながら、言葉を受け止めることだと思う。
問題発見→看護職として「相手と向き合う」とはどういう意味か?
では看護職に携わる者にとって、「相手と向き合う」とは具体的にどういうことを指すだろうか。
論証→患者と向き合うということ
それは、相手と向き合い、相手が求めることを言葉以外からも推し量り、具体的な行動に移すことではないかと思う。たとえば手術を控えた患者に対して、単に手術の概要や手続きを説明するだけではなく、相手の不安や疑問に答えたり、動揺をしていないか観察したり、患者の家族にも声掛けをしたりすることが、「相手と向き合う」ということである。つまり、相手を単なる患者としてとらえるのではなく、聞き取りや対話を通じて、患者やその家族の関係、歴史、関心事などを含め、患者を理解しようとする姿勢である。相手を一人の人間として捉え、その人間が不安に思うことや辛いと感じていることを解消しようとすることが、看護職には求められている。たしかに、患者の感情や思考を的確に想像することは難しいし、傲慢ともいえるかもしれない。しかし重要なことは、あくまで「知ろうとする姿勢」であり、相手のために行動をしようと努力する行動なのだ。相手のことを完全に理解することはできないが、それでも知ろうと試行錯誤をしながら行動することこそが、本文でも言われている「相手とまっすぐに向き合おうとすること」だと思う。
解決策or結論→向き合う「努力」をすることが重要
日々、何人もの患者を相手にする看護職は多忙であり、一人の患者に割ける時間はそれほど多くはないかもしれない。しかしたとえ対応できる時間が短くても、その瞬間に全力で相手の話に耳を傾け、知ろうとする姿勢は、必ず患者に伝わると信じている。
解決策or結論の吟味→結論を吟味する
個々の人間に誠実に向きあい、相手を理解しようとする姿勢を忘れず、看護職として多くの患者の役に立ちたい。(797字)
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