設問
問題1の文章を踏まえて、文学と女性はどのような関係にあるべきか、自分の体験を挙げながら600字から800字で論ぜよ。
議論の整理→文学と女性の政治的な関係
本文が述べるように、「文学と女性」が「権威的なものと非権威的なもの」という組み合わせであることを考えると、両者の関係は政治的なものとなる。このような対比をすること自体、非権威的な女性が権威的な文学とどのように向き合うか、といった内容を予感させるものである。
問題発見→文学と女性はどう関係すべきだろうか?つまり、この問いは適切だろうか?
それを踏まえたうえで、文学と女性はどのような関係にあるべきだろうか。
論証→女性と文学の対比を強調する構造
思うに、文学と女性の関係を特別協調する必要はないのではないか。なぜかというと、歴史的に、文学や文字といったものが男性の特権的なものであったことを踏まえると、女性が文学の世界に足を踏み入れたのは最近となる。文学だけではなく、参政権をはじめ女性の様々な権利が認められるようになってから時間は浅い。当然、女性の権利が男性と比べて虐げられていることに対して、擁護をすることには賛成である。しかし他方で、「文学と女性」といったテーマのように、権威的なものと対置をして違いを強調することで、逆に「女性」というものが特別感をもって受け取られる可能性はないだろうか。文学だけでなく、たとえば「政治と女性」「学問と女性」といった対置もそうだが、これは女性の権利の確保・擁護をしているようで、実際には「マイノリティとしての女性」という思考を再生産していることになっているのではないか。
解決策or結論→あえて違いを強調する必要はない
現在では女性をはじめ、少数民族やLGBTといったマイノリティの声が社会に届き始めた時代だと思う。そのような時代にあって、あえて「文学と女性」というように違いを強調するテーマ設定を設けることは、危険ではないかと考える。
解決策or結論の吟味→結論を吟味する
今日、女性が作家として活動することは全く違和感がないものとなった。文学に限らず、女性が権威的なものに当然のように参加し、受け入れられるとき、ようやく「女性の存在が受け入れられた」と言えるのではないだろうか。(752字)
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