「上智大学 法学部 法律学科 外国人入試 2018年 小論文 解答例

■設問

日本では、近年、保育所などに子どもを入所させようとしても施設が足りないために入所できないという、いわゆる待機児童にかかる問題がクローズアップされています。下記の文章は、この問題に関する新聞記事です。これを読んで、あなたが考えたことを800字程度で論じなさい。

■答案構成

5STEPで書く

議論の整理→ 待機児童を減らすには「認定こども園」設置が有効。しかし、普及が伸びない。

問題発見→ どうすれば「認定こども園」は普及するのか?

論証→ 「認定こども園」事業参入へのハードルが高い

解決策or結論→ 業者が事業に参入しやすい仕組みを整える

解決策or結論の吟味→ 税金が財源

■回答

議論の整理→ 待機児童を減らすには「認定こども園」設置が有効。しかし、普及が伸びない。

待機児童を減らすためには、保育所の数を増やさなければならない。そこで「認定こども園」という新たな保育施設が普及し始めている。「認定こども園」とは、幼稚園と保育所の機能を併せ持ち保育施設で、幼稚園に比べて、子どもを預かってくれる時間が長いことや長期休暇が少ないといったメリットがある。しかし、この「認定こども園」の普及が思うように伸びない。

問題発見→ どうすれば「認定こども園」は普及するのか?

ここでは、どのようにすれば「認定こども園」が普及するのか、論じたいと思う。

論証→ 「認定こども園」事業参入へのハードルが高い

「認定こども園」の普及が伸びない原因一つ目は、どれくらいの補助金が下りるかについて、国や自治体からの説明が遅れがちになってしまうことだ。保育施設の設置は多額の費用がかかるので、補助金の金額が分からなければ、導入に後ろ向きになってしまうだろう。また、役所に提出する書類の作成など、事務作業が多いことも普及が伸びない要因の一つである。さらに、住民による建設反対運動がもっとも大きな要因だろう。土地の価値が落ちる、地域の騒音被害につながるといった声が住民から上がるなど、「認定こども園」の設置に反対する住民の数は多い。こうしたもろもろの事情から、業者にとって、「認定こども園」を設置するハードルが高くなってしまっている。

解決策or結論→ 業者が事業に参入しやすい仕組みを整える

業者の「認定こども園」設置事業への参入を促す仕組みを作ることが、「認定こども園」普及への第一歩である。例えば、国や自治体による「認定こども園」設置についての説明会を、業者向けに行うなどである。補助金の金額や待機児童の数が多いので、入所児童の数は多くなることが予想され、利益につながることなど、丁寧に設置のメリットを説明するのだ。また、提出書類を削減するなどして、事務作業の簡素化を図るといった手段もある。

解決策or結論の吟味→ 税金が財源

説明会の開催は、費用が掛かるし、その費用は国民の税金から賄われるので、余計な出費は好ましくないという人もいるかもしれない。しかし、待機児童解消は、日本が直面している問題のなかでも特に早急に解決すべきであり、少々の出費は我慢せざるを得ないと言える。

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