2020年 上智大学カトリック高等学校対象特別入学試験 文学部・新聞学科 小論文 解答例

議論の整理(要約)

現在、とくに若者や子どものあいだで、ユーチューブ動画が生活の一部として浸透している。テレビよりもユーチューブを視聴している時間のほうが長いと言われている。その影響もあり、ユーチューバーは、子どもが将来なりたい職業の上位にランキングするほど、身近な存在となった。楽しそう、お金が稼げそう、自由に働けそうなど、会社勤めにはない魅力がユーチューバーにはある。ただし、それは動画などを通じて発信されているイメージに過ぎない。実際、ユーチューバーを職業のひとつとしてどのように位置づけられるのか、はっきりしていないのが現状である。

問題発見

今後、ユーチューバーを職業のひとつとして、どのように位置づけていけばいいのだろうか。そもそも、ユーチューバーという職業は存在しえるのだろうか。

論証

現在のユーチューバーという職業のイメージは、動画の演者としてのイメージである。そのため、実際にどのような仕事をしているのか、理解されているとは限らない。個人事業主、会社経営者、会社員、事務所所属など、ユーチューバーの立場もさまざまである。さらに、ユーチューバー活動に専念している場合もあれば、それ以外にも多くの事業を展開している場合もある。さらに、芸能人や一般の経営者がユーチューブに参入している現状を踏まえると、ユーチューバーがひとつの職業を指しているのかも疑問である。芸能人であれば、基本はタレントであり、情報発信の手段としてユーチューブを使っているに過ぎない。ラファエルやヒカルのように、人気ユーチューバーでありつつも、複数の会社を経営する実業家というのが実態というケースもある。

結論

ユーチューバーは肩書のひとつであり、職業と捉えることはできない。ただし、さまざまな職業や立場を横断するユーチューバーの活動領域を明らかにすることは、子どものキャリア教育のあり方を考えるうえで不可欠である。

吟味

子どもの教育に関わる人が、ユーチューバーについて理解しているとは言えない。そこで、子どもたちにユーチューバーという立場をどのように説明するのか、マニュアルを作成してみてもいいのではないか。(889文字)

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