「上智大学 文学部 史学科 カトリック高等学校特別入試 2018年 小論文 解答例」

■設問

民族の帰属を決定する最も重要な要件は何かについて、自分が経験したことや見聞したこと、ないしは歴史上の事項を例に挙げて、自分の考えを述べなさい。

■答案構成

5STEPで書く

議論の整理→ 民族の定義

問題発見→ 民族の帰属を決定する最も重要な要件は何か

論証→ 自分とは違うという意識が、壁を作っている

解決策or結論→ 最も重要なのは同じ集団に属しているという意識

解決策or結論の吟味→ 外面的な部分

■回答

議論の整理→ 民族の定義

本文によると、大方に認知を得ている「民族」の定義は、①まず言語を同じくし、②しかも風俗・習慣や歴史(神話も含む)を共有し、③さらに同じ民族に属しているという「民族意識」を持つ人たちの集団のことである。

問題発見→ 民族の帰属を決定する最も重要な要件は何か

ここでは、民族の帰属を決定する最も重要な要件は何かについて、私の意見を述べようと思う。

論証→ 自分とは違うという意識が、壁を作っている

私たちは普段の生活では、どこの国に所属しているかどうかということをかなり重要だと考えているように感じる。例えば、「中国人はマナーが悪い」や「アメリカ人は肥満体質」といった印象があるが、これは、単なるイメージであり、実際にはマナーがいい中国人もいるし、痩せているアメリカ人もいる。何か言いたいのかというと、その人が所属している国を基準としてイメージを形成し、そのイメージを国民全体に当てはめているということだ。また、かの有名な南北戦争では、黒人を労働力として使いたい、工業が発展しつつある北部側と、黒人を奴隷として扱い、綿花栽培で利益を産みだしていた南部側が対立し、戦争に発展した。あれは黒人と白人という肌の違いによる対立というより、主義主張の違いにより生じた紛争だといえる。ここから言えるのは、自分とは異なる国家や異なる主義主張をしている集団に対して、批判や弾圧を加えているということだ。つまり、自分とは違うという意識が、他の集団との壁を作っているといえる。

解決策or結論→ 最も重要なのは同じ集団に属しているという意識

この考察から考えるに、民族を分かつ最も重要な基準は、同じ民族(集団)に属している意識があるかそうでないかといえるのではないか。自分とは別の国に所属しているという意識や、自分とは違う主張をしているという意識が、民族の形成に大きく影響していると言える。

解決策or結論の吟味→ 外面的な部分

意識上の問題は、外面的には分からない問題であり、そうした内面的な部分が一番重要だと判断するのは間違っているという声もあがるかもしれない。しかし、性格や考え方など内面的な部分が似通っていることが、人間が仲良くなるうえでは最も重要なことだと私は考える。外面的な部分を知るだけは、その人の人格的な好さ悪さが判断できないだろう。

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